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絶望のラモス氏を救ったサッカーボール

スポーツ報知 3/3(金) 11:08配信

 昨年12月29日に脳梗塞と診断され、リハビリを続けていた元日本代表MFで、元J2岐阜監督のラモス瑠偉氏(60)が2日、都内で復帰会見を行った。発症後は左半身の感覚がマヒしていたが、現在は普通に歩き、報道陣の前でリフティングを披露するまでに戻った。医者も驚いたという回復スピードの裏には、支えてくれた人はもちろん、長年の“友だち”サッカーボールの存在もあった。

 12月29日に緊急入院したラモス氏は、1月24日にリハビリ専門の病院へと移った。そこではマヒしていた左手、左足の感覚と、体のバランスを戻すのが主な目的だった。だが、健康なときにできていたことができない。左足に力が伝わらない。「感覚がなかった。最初は思い通りにいかなくて木を殴ったりして怒られたこともあった」。絶望感が漂っていたある時、おもしろいことに気づいた。

 「右足を動かしてから左足を動かすと動いた」。左足だけを動かそうとするのではなく、右を動かしてから、同じように力を入れると左足は動く。「それで感覚を戻すためにサッカーボールを蹴ったらどうかなと思った」。そこで、病院にお願いしてボールを用意してもらい蹴ってみた。「右で蹴ってからだと左もできるようになった」。大好きなサッカーによって、つらかったリハビリ生活に光りが差した。「自分の性格でしょうね。やっていいと言われたら、できるまでやる。結局、時間はかかったけど左足だけで25回リフティングができるようになった」。会見では司会者から現役時代の回数を聞かれると「20回やないかい。アホか」と“ラモス節”で突っ込みを入れながら「結局、あれのおかげで(体の感覚が)戻った」と、サッカーボールが持つ不思議な力に感謝した。

 「ラモスは(症状が)軽かったとか運が良かったとか言わないで。人生の中で偶然や運はない。乗り越えられない試練なんて与えられないからさ。神様がまだ逝っちゃいかんと言っている。それに自分の力だけで乗り越えられたわけじゃないから」。会見では家族や応援してくれた人々への感謝を口にすると涙。最後は柔和な笑みを浮かべ、しみじみと語った。「(ブラジルから帰化して)日本人になれて誇りに思っています。日本人になれて良かった。幸せです」。

最終更新:3/3(金) 11:12

スポーツ報知

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