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道路補修もIT化? 市民参加の「通報アプリ」は功奏するか

3/3(金) 7:30配信

乗りものニュース

一般利用者からの通報に助けられている

 道路に陥没や穴、段差などが生じていることがあります。これを原因として、クルマのタイヤがパンクしたり、ハンドルを取られて事故につながった例も少なくないようです。

【画像】相模原市の「道路通報アプリ」とは

 国や県、市区町村の道路管理者は日常的に道路を巡回し、こうした道路のさまざまな異常を補修しています。仙台市道を管理する仙台市道路保全課は「異常を放置し、それが原因で事故が起これば、市として管理責任を問われかねません」といいます。また、一般利用者からの通報によって異常が発見されることもあり、神奈川県相模原市の路政課も「市民からの通報は、瑕疵(かし)をより減らすことにつながります」と話します。

 たとえば国道や高速道路の異常は、#9910の「道路緊急ダイヤル」で全国どこからでも通報を受け付けています。都道府県道や市区町村道を管理する自治体の多くも、電話や役所の窓口などで通報に対応しているようです。

 ただ電話での通報には、課題もあるといいます。仙台市道路保全課は「電話は役所の開庁時間内しか受け付られません。また、電話では場所の特定が難しい場合があるうえ、現場に行って状況を確認し、そのあとで補修などの対応をすることになります」と話します。

「通報アプリ」で何が変わる? メリットは

 そこで近年、一般利用者からの通報に専用のスマートフォンアプリを導入する自治体が増えてきています。先述の仙台市では、現場の写真を撮影し、GPSによる位置情報を利用して通報できるアプリの試行を、2017年度中に開始する予定です。

「アプリを使えば時間を問わず通報することができます。また、不具合箇所の位置や状況が役所にいながらわかるので、必要な準備をして現場に向かい、迅速に対応することが可能です。通報の手段を拡充することで、安全、安心にプラスになると考え、試行することになりました」(仙台市道路保全課)

 2015年1月から同様の道路状況通報アプリを導入している神奈川県相模原市は、道路の維持管理に関わる事務作業の効率化が図られ、道路巡回により多くの時間を割けるようになったといいます。また、標識や公園の施設、放置自転車に関する問題など、路政課の管轄ではない内容の通報についても、所管する課への引き継ぎや、警察、国土交通省などへの情報提供を行ったそうです。

 相模原市の道路状況通報アプリは、導入から2年を経た2017年1月末時点で5059件ダウンロードされました。市民からアプリの反響をうかがう機会はいまのところないそうですが、「アプリで通報したことで『長年あった道路の穴が3日でなおった!』という旨のTwitter投稿が多くの人にリツイートされた」(市路政課)ことなどからも、手ごたえを感じているといいます。

 通報もアプリのダウンロードも、一般市民の任意で行われているものですが、こうした行政の道路管理をまかなっているのは税金です。問題解決の円滑化がひいては節税につながり、巡り巡ってその個人にもメリットをもたらすことでしょう。

乗りものニュース編集部