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普通食そっくり介護食 能登の管理栄養士ら簡単レシピ

3/3(金) 1:33配信

北國新聞社

 食べ物をかんだり、飲み込んだりする力が低下した人にも食事を楽しんでもらおうと、能登の管理栄養士らでつくる「食力(しょくりき)の会」が見た目や味、香りが普通食とそっくりの介護食を考案した。いったん料理を作ってから食材別にミキサーにかけた後、形成する方法で、家庭でも簡単にできる。高齢化が進み、在宅介護が増える中、同会はレシピをまとめ、能登を中心に「そっくり介護食」を広めていく。

 介護食などを研究している食力の会は、能登地区の病院や介護施設で働く管理栄養士のほか、口腔外科専門医や言語聴覚士、介護福祉士、臨床検査技師らで構成される。

 一般に介護食は飲み込みやすいように、とろみをつけたり、ペースト状にしたりする。食材をまとめてミキサーにかけるため、味や香りが混ざり、「何を食べているのか分からない」「おいしくない」など患者の不満も多かったという。

 食力の会が考案した介護食の作り方は、料理を一度完成させた上で、ダイコンやニンジンなど食材ごとにミキサーにかけ、とろみをつけて再び火にかける。その食材を元の料理の形に整える。

 試作では、在宅介護にも対応できるように家庭にある調理器具だけで、ロールキャベツやすき焼き、オムレツなどを作った。料理の味や香りがよく分かり、見た目も食欲をそそる仕上がりになったという。

 食力の会は今後、在宅介護の家庭や病院、介護施設の職員らを対象にした講座を開き、普及に努める。

 メンバーの橋本良子管理栄養士(七尾市)は「普通の食事と介護食を分けて作るより効率がいい。患者も家族と同じ料理を食べることができ、食卓で会話が弾む」と話した。

 石川県内の要介護、要支援認定者数(昨年10月末)は5万8766人で年々増加している。県の調査では2025年には7万4914人になる試算もある。

 食力の会代表で、公立能登総合病院歯科口腔外科(七尾市)の長谷剛志部長は「能登の高齢化は深刻で、介護食の問題は避けて通れない。患者本人の持つ『食べる力』を引き出すことが、よりよい生活につながる」と話した。

北國新聞社

最終更新:3/3(金) 1:33
北國新聞社