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トランプ政権が検討している100年債の発行、これって現実的なの?

3/5(日) 17:30配信

THE PAGE

 トランプ政権が100年という超長期の国債発行を検討しています。100年という時間はあまりにも長すぎてピンと来ませんが、このような国債を発行するというのは現実的なのでしょうか。

 新しく財務長官に就任したムニューシン氏はメディアとのインタビューにおいて、100年債の発行を検討していることを明らかにしました。100年債というのは、国債を発行して、その国債が償還されるまでの期間が100年のものを指します。つまり政府は100年間お金を借りっぱなしで、その間、ずっと投資家に利子を払い続けることになります。短期の国債は1年程度、長期の国債は10年程度が普通。中には30年という超長期国債もありますが、米国では100年債を発行した実績はありません。

 トランプ政権が100年債の発行を検討しているのは、大規模なインフラ投資と減税を経済政策として掲げているからです。インフラ投資の規模は総額1兆ドル(約113兆円)、減税は最大で6兆ドル(約678兆円)に達するとの報道もあります(今後10年間の累計)。これらの支出は国債の増発で賄うしかないため、市場には大量の国債が出回り、金利は今後、上昇する可能性が高くなるでしょう。今はまだ金利は低い状態ですから、このタイミングで100年債を大量に発行しておけば、金利がある程度上昇しても、政府は利払いで苦慮する必要がなくなります。

 もちろん、償還期限が100年の国債を発行すれば、100年間にわたって利払いを続ける必要があります。しかし、金利が本格的に上昇することを前提にすれば、今、低い金利で100年債を発行してしまった方が、メリットが大きいと考えているわけです。

 100年の国債と聞くと荒唐無稽に思えますが、必ずしもそうではありません。アイルランドやベルギーなどでは100年債を発行していますし、英国ではかつてコンソル債と呼ばれる永久に利子を払い続ける債券を発行していました。現在でもわずかですがコンソル債は流通しています。

 ただ償還期限を過剰に長く設定した国債の発行を続けていると、当然のことながら財政規律が緩んできます。やり方によっては一種のヘリコプターマネーになってしまうでしょう。米国は日本と比較すると財政状況ははるかに健全であり、国債を大量発行する余力はたっぷり残っています。

 しかし、米国の世論は日本とは比較にならないくらい政府の借金には厳しいことでも知られています。実際に100年債の発行ということになった場合、市場や世論がどう反応するのかは今の段階では何ともいえません。ムニューシン氏としては、とりあえず観測気球を上げ、反応を見ているものと思われます。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:3/11(土) 15:03
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