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「受動喫煙防止法案」施行による外食市場への影響 「居酒屋、バー、スナック」「カフェ・喫茶店」「レストラン」すべて来店者減少を予想

エコノミックニュース 3/4(土) 10:26配信

 富士経済は、2016年10月に厚生労働省が公表した「受動喫煙防止対策の強化について(たたき台)」で示された喫煙規制や罰則が実際に施行された場合、外食市場に与える影響を外食店へのアンケート調査をもとに算出した。その結果を報告書「受動喫煙防止法案(たたき台)がもたらす外食産業の市場展望」にまとめた。

 この報告書は、電話帳で無作為抽出した東京、愛知、大阪の3都市圏の「居酒屋、バー、スナック」「カフェ・喫茶店」「レストラン」のオーナー、店長など店舗運営の責任者(合計7,002店)を対象に調査票「外食産業における喫煙に関する意識調査」を送付。法案が実際に施行された場合の売上予想(有効回答1,020店)をもとに外食市場(市場規模約21兆円)のうち影響が大きいと思われる上記3業態(市場規模約13兆円)への影響を予測した。

 顧客の喫煙者の割合が他の業態より高いため、全面禁煙になった時に客数減少を見込む店舗の割合が高い居酒屋等は店内が全面禁煙になった場合「客数が減少すると予想」が72.9%を占める。喫煙者の顧客が主体となるために、他の業態よりも全面禁煙になった場合の来店客数への影響が大きいとみる店舗の数が多い。「売上減少の影響がある」と予想する要因としては、「既存客の大半が喫煙者だから」が最も高い割合を占める。

 喫煙客の多さと店舗面積の制約、さらに資金面により分煙環境への対応が遅れているカフェ・喫茶店では、全席喫煙が可能な店舗は過半数を占める。平均月商200万円未満が80.0%と高い割合を占めている。店舗面積は50平米未満の店舗が64.4%を占めており、店舗面積の狭さに加え、平均月商200万円以下の店舗が多く、設備投資する資金面などから分煙環境整備する難しさもあり、全席喫煙が可能な店舗が多い。

 来店客数が減少すると見ている割合は61.3%と半数を超えている。減少に最も影響する理由としては「タバコを吸う目的で選ばれているから」である。アルコール飲料と同様に喫煙との親和性が比較的高い業態であり、昔から、休息の場として多くの消費者に利用されており、喫茶とともに、喫煙空間の提供も重要なサービスの一つとして位置づけられていることから、全面禁煙は来店客数の減少に影響するとの見方が強い。施行された場合の売上金額への影響は、「1年以上・戻らない」は他の業態よりも高くなっている。影響される期間が1年未満の割合は最も低く、短期で影響が終わらないとの見方が他の業態よりも強くなっている。

 レストランは「全面禁煙」、「店内禁煙/店外に灰皿を設置」「仕切りがないタイプの分煙」等の割合が他の業態よりも高く、3業態の中では最も受動喫煙防止対策が進んだ業態といえる。レストランは50~100平米未満、100平米以上が他の業態よりも高く、面積が広いことから、既に受動喫煙対策を導入しやすい環境にあることが窺える。

 全面禁煙化による来店客数への影響は、他の業態では減少予想が最も高い割合を占めるが、レストランでは「影響がない」が最も高い。家族連れを主体とした店舗では影響は少ないものと見られる。レストランは一部の店舗では影響が大きいとみる店舗もあるが、3業態の中でも最も影響が小さい業態といえるとしている。(編集担当:慶尾六郎)

Economic News

最終更新:3/4(土) 10:26

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