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投資信託の売り時はどう選ぶ? 判断のヒント教えます

3/4(土) 20:15配信

投信1

筆者は投信業界にて十数年禄を食んでいますが、運用会社、販売会社とも「いかにその投資が今いいのか」と、セールスストーリーや運用手法の優位性を訴求して投資信託を「買ってもらう」お勧めは入念に行いますが、「今、手放して売るべき!」というお勧めを見ることはほぼありません。

個人投資家も自らの判断で買うファンドやタイミングは選択しますが、売る時期については自分で判断するための助言や材料が不足している、と感じているのではないでしょうか。 本稿では、投資信託の売り時をどう考えるか、その手法についていくつかポイントを記します。

投資信託の売り時の判断が難しいのはなぜか

個人投資家はプロである運用会社や販売会社ほど市場を丹念に見ていないため、売る際にはなかなか判断材料がなく、結果として教育費や自動車購入資金が入用になったなど、投資環境とは異なる理由で換金売りを行うことが少なくないのではないでしょうか。

実際、売り時の判断はプロでも難しいのですが、個人投資家の判断をさらに難しくしている理由があります。というのは、一般の個人投資家にとって主要な情報ソースは当該ファンドの運用会社と販売会社でしょうが、供給者側の意見は下記のビジネスモデルからくる理由により、必ずしも中立的とはならない傾向があるからです。

販売会社は販売手数料と代行報酬で収益を上げるモデルです。それゆえ、顧客資産の回転を上げて販売手数料を手にする「乗り換えセールス」に走るビジネス上の動機があります。

すなわち、あなたの保有しているファンドを「下がりそうだから今売っていったんキャッシュで待機した方がいいですよ」と親切に勧めてくれる殊勝な販売員は少なく、むしろ「売って(今、販売会社がキャンペーン中の)別のファンドにした方がいいですよ」という展開のほうがありがちです。

ゆえに、販売会社が「売り時」を助言するのは、必ずしもマーケット的に、あるいはあなたのおサイフ的によいタイミングとは限らないと肝に銘じることです。

運用会社はさらにそうで、ファンドの残高に対して定率の信託報酬を日々受け取る収益モデルですから、できるだけ長く保有してもらいたい動機があります。ゆえに、わざわざ自分の預かり運用資産を減らすために「売った方がいいですよ」というレポートを書くことはまずありません。また、運用会社は個々の投資家の買値も知りえないので、「今売るべし」とは言えないのです。

では、「売り時」の判断基準をどう持ったらよいでしょうか?  投資の目的や懐具合、マーケット知識には個人差があるので唯一無二の正解はないのですが、以下の手法がご参考になればと思います。いずれにせよ、買った時の販売手数料はもう戻ってこないのですから、「それを取り戻すまでは…」というような自分の買値にとらわれることはやめましょう。

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最終更新:3/4(土) 20:15
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