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米国産 全回で安値 取引量2.5倍 国内需給に影響懸念 16年度米SBS終了

3/4(土) 7:00配信

日本農業新聞

 輸入米の価格偽装問題に揺れた2016年度の売買同時契約(SBS)取引(計6回)が、3日終了した。業者間の調整金のやりとりを禁じた第2回の入札以降、主力銘柄が、最終回まで過去最安を更新し続ける異例の展開となった。全体の年間取引量は前年比2.5倍の7万トン強。国産業務用米の取引が本格化する中、割安感が際立つ輸入米が多く出回ることになる。外食市場を中心に国産の需給と価格に影響を与える懸念が高まる。

 農水省によると、主に飲食店向けの米を扱う一般枠は計4万4766トンが落札された。うち7割近くを占める米国産うるち精米中粒種は、規定変更後の平均売り渡し価格(加重平均)は1キロ当たり148円で前年産より2割安い。関東産B銘柄の相対取引価格(1キロ精米換算=約240円)より4割も下回る水準だ。米国産に次ぎ取引量が多いオーストラリア産のうるち玄米短粒種も各回、過去最安の更新を続け160円台に落ち込んだ。

 16年度の全体取引量は、最終の第6回で1万5699トンを上積み、計7万3314トン。開催回数が少ないため年間枠10万トンには届かなかったが、前年(2万9315トン)より大きく伸びた。

 SBS米は通常、取引から約3カ月後に国内市場に入ってくる。12月の規定変更後から安値となった輸入米の出回りがこれから本格化する。年度末から業務筋が米の手当てを活発化させるタイミングと重なる。16年産米で国産B銘柄が不足していることも加わり、外食業界が米の調達先を輸入品に向け始めた。

 大手米卸は「飲食チェーンがチャーハンなどに米国産米を使う動きが出ている」、東日本の商社は「SBS米の潜在的な需要量は年間枠10万トンを上回る」と明かす。

 安価な輸入米が増えることで心配される国内需給と価格への影響について、農水省は「要因は複雑多岐で一概に何が原因とは言えない」とし、SBSとの関連付けを避ける。

 一方、識者は「これほど国産米との価格差が大きければ、国内流通量に占める割合が少なくても国産米相場への影響は避けられない」(東北大学大学院の冬木勝仁准教授)と見方を示す。業務用米の産地を中心に、SBS米は「売れる米作り」を進める生産者にとって大きな脅威で、懸念を払拭(ふっしょく)することが国には求められる。

日本農業新聞

最終更新:3/4(土) 7:00
日本農業新聞