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ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2017、グランプリは33歳監督の手に

3/5(日) 18:37配信

Movie Walker

北海道・夕張市で開催中の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2017」。3月5日、クロージングセレモニーと授賞式が行われ、オフシアター・コンペティション部門で、永山正史監督の『トータスの旅』がグランプリを受賞した。

【写真を見る】トロフィーを受け取り、グランプリ受賞の喜びを語る永山監督

本作は、妻を亡くした男が、風変わりな兄に振り回され、息子とカメと兄の恋人と共に奇妙な旅に出る姿を描いたロードムービー。審査委員長の内藤誠監督は「子どもと動物が出る映画は(コントロールできなくて)大変だから、大抵ひどい目にあうんです。でもこの映画はカメと少年という難物を扱っている。70年代のテイストだとか、『イージー・ライダー』的で共感しやすいところもあった。個人的には辛口になる部分もあるが、満場一致でした」と評した。

現在33歳の永山監督は、本作が監督2作目。フリーランスでCMなどのディレクター・カメラマンとしての活動をしながら映画を完成させた。初監督作となる前作『飛び火』はぴあフィルムフェスティバルに入選しており、本作も第10回田辺・弁慶映画祭と第17回TAMA NEW WAVEで男優賞を受賞しているが、「男優賞などはほかの映画祭でいただいていたのですが、作品賞を受賞したのは初めてです。やさぐれて、賞なんていらないと思っていたけど、本当にうれしいですね」と喜びを語った。次回作支援金の使途について尋ねられると、「いくつか考えている企画があるのですが、これまでフィクションで“変なおじさん”の姿を描いてきたので、今度はそれをドキュメンタリーでやってみたい」と抱負を語った。

審査委員長の内藤誠監督は「約500本の候補作から7本が選ばれコンペ部門で上映されましたが、選ばれなかった作品を観てみたところ、とてもすばらしかった。だから、7本の中から受賞作の3本を選ぶというのはかなりシビアで、大変なことを引き受けてしまったなと思いましたね。そして、仲間を集めて映画を作ることのすばらしさを思い出しました。これから、仲間ともっとおもしろい映画を作ってほしい。仲間との人間関係を含めて、苦しんだり悩んだりしながら映画を作っていくわけですから。そしてまたゆうばりに戻ってこれるよう、私も努力するので、頑張っていきましょう」とまとめた。

ほか、オフシアター・コンペティション部門では審査員特別賞にイム・チョルミン監督『ベートーベン・メドレー』、北海道知事賞に横山翔一監督『はめられてRoad to Love』、シネガーアワード(批評家賞)に越坂康史監督『ストレンジデイズ』、スペシャルメンションに村山和也監督『堕ちる』が輝いた。審査員の講評では、女優のほたるが「今回のコンペ作品は、女性蔑視的な表現があまりにも多く、女性の描き方がひどすぎる。女優として色々な表現があることは承知していますが、監督さんたちは女性の表現についても考えてみてください」と訴える場面もあった。

また、インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門では、グランプリにキム・ヒョジョン監督の『M.boy』、審査員特別賞にパスカル・ティボウ監督の『歯』、優秀芸術賞で見里朝希監督の『あたしだけをみて』、飯田千里監督の『タコ船長とまちわびた宝』、ダニエル・ドランロー監督の『Mizbruk』がそれぞれ受賞を果たした。

最後に閉会宣言がされ、3月2日より開催されていた映画祭は盛大な拍手と共に幕を閉じた。明日6日にはオフシアター部門、コンペ部門の受賞作品上映会が開催される。【取材・文/Movie Walker】

最終更新:3/5(日) 18:53
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