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福島の子どもの絶望 「どうせ、がん」「いじめにあう」 寄りそう教師の思い

3/7(火) 7:00配信

BuzzFeed Japan

いじめや偏見に苦しむのは、福島からの避難者だけではない。福島に住む子供たちも同じだ。2016年の夏、福島市内のある中学校。女子中学生が校庭の片隅で、俯き気味に草を抜きながらつぶやいた。「どうせ、うちら将来、がんになるんでしょ」。【石戸諭 / BuzzFeed 】

【写真】福島第一原発事故で避難が続く街

「放射能いじめが報じられるたびに、やがて自分たちにも起きるのでは、と不安に感じている生徒がいます」。心配そうに語るのは、福島県で中学教諭として子供たちと接している、武田秀司さん(49歳)だ。

武田さんが原発事故と福島の子供たちの問題に直面したのは、派遣された新潟県でのことだ。そこで、いま全国的な問題になっている、避難者へのいじめも目の当たりにした。

派遣は、こんな経緯で決まった。2011年3月11日から一変した生活。年度が変わってから、武田さんに校長から電話があった。

「どこの県に行くかはわからないけど、9月から県外に避難している小中学生の支援をしてほしい」という。

避難先で福島の子供をサポートする必要があり、福島の事情を知っている教員を派遣することになった、と説明を受けた。武田さんは迷いながらもこれをうける。

県外派遣は新潟県、柏崎刈羽原発がある刈羽村の刈羽中学校に決まった。

孤独な子供たち

武田さんは、別の小学校から派遣された教員と2人でタッグを組んで、まずは避難した保護者や子供に聞き取りをする。支援のために必要なのは、信頼関係だ。

震災直後に刈羽中には最大で約20人が避難し、隣の小学校にも約50人が避難していたと聞いた。着任した9月で、その数は半分くらいになっていた。

避難を続けている子供たちは「帰りたいけど、それを言ってはいけない」と思ってい
た。強い孤独感もあった。

小学校低学年でも、アンケートをとると「学校はここがいいけど、うちのベッドで寝たい」とか「自分と同じ(経験をした)友達は、ここにはいない」と書いてくる。

当初、半年で自分の仕事は終わるだろう、と考えていたが、結果的に、福島に戻ったのは2013年4月。1年半かかり、引き継いだ。

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最終更新:3/7(火) 7:00
BuzzFeed Japan