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梅酢ポリフェノールで用途特許 インフルエンザ抑制に期待 和歌山県田辺市とJA紀南

3/7(火) 7:01配信

日本農業新聞

 田辺市とJA紀南は、梅酢ポリフェノールから発見されたインフルエンザウイルスの増殖抑制や消毒作用を生かし、医薬品などを製造するのに必要な用途特許を取得した。現在、うがい用の顆粒(かりゅう)で臨床試験を進めている。梅酢ポリフェノールは、梅干しの製造過程でできる梅酢から抽出し、大量製造が可能。実用化・商品化に期待が集まっており、市とJAは「梅の果実や加工品のイメージアップにもつながる」と話す。

 梅酢ポリフェノールに抗ウイルス作用があることは、市とJAでつくる紀州田辺うめ振興協議会の委託を受けた小山一和歌山県立医科大学博士研究員らが解明。さらに、三谷隆彦和歌山大学食農総合研究所客員教授らが成分の抽出に成功し、梅酢ポリフェノールを含んだうがい用の顆粒を開発した。

 昨シーズンはうがい用顆粒の使用試験を30人で行い、安全性を確認。2016年12月からは300人規模でインフルエンザや風邪の予防効果を臨床試験中だ。約2カ月間、1包2.5グラムの顆粒を1日3~5回、うがい時に使って状況を記録している。今年秋にも結果がまとまる。

 用途特許は16年12月に取得した。これにより市とJAは、梅酢ポリフェノールの抗ウイルス活性機能を備えた医薬品や医薬部外品、化粧品、食品、食品添加物、飼料などを製造できることになる。

 小山博士研究員は「抗ウイルス作用の試験はインフルエンザのA型、B型、H1、N1などで行った」と説明し、今回の臨床試験でも発症の抑制や、症状の軽減などの効果を期待する。

 和歌山県内では年間1万6000トンの梅酢ができると推計され、梅酢ポリフェノール16トンを抽出できる計算。臨床試験の統括役を務める三谷客員教授は「実用化段階と言える。臨床試験で良い結果が出たら一気に商品開発が期待できる」と語った。

日本農業新聞

最終更新:3/7(火) 7:01
日本農業新聞