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恩返しは連続日本一、女子軟式野球のダラーズ 農家の作業所で特訓

3/7(火) 2:20配信

北國新聞社

 石川県内唯一の女子軟式野球クラブであるダラーズ(白山市)のナインが同市中成1丁目で農業を営む田川國廣さん(81)の作業所を練習場に、2年連続の日本一を目指して特訓に励んでいる。グラウンドで白球を追えない冬場やシーズン中の雨天時に屋根のある場所を提供してもらい、11年がたった。選手たちは田川さん夫婦の後押しに感謝しながら、球春へ胸を躍らせている。

 ダラーズは2001年に結成し、冬が訪れるたび積雪が悩みの種だった。05年12月、吉田典宏監督が冬場の室内練習場を探していたところ、エース坂下翠選手の父と親しかった田川さんが快く提供を申し出た。

 以来、選手たちは学校や仕事を終えた後、農機が並ぶ約77平方メートルの農作業所で打撃練習をメインに汗を流している。現在は週に3、4日、中学生から社会人まで約20人がはつらつとした声を響かせている。

 宮野雅子主将は「打つことに絞って集中できる。なくてはならない場所」とバットを力強く振り込み、吉田監督は「田川さんのおかげで打撃のチームができた」と喜ぶ。

 地道な練習の成果が昨季に花開き、ダラーズは全日本選手権で初優勝し、続く大学覇者と一騎打ちのジャパンカップも制して真の日本一に輝いた。

 選手は練習後に毎回、田川家の玄関に置いてある缶にチームとしての使用料500円を入れて帰宅する。年末になると、たまった使用料を活動費の足しにと、田川さんがチームに全額寄付している。妻の冨美子さん(75)とともに練習を見守る田川さんは「彼女らの活躍が長生きにつながる。何回でも優勝してほしい」と目を細める。

 至れり尽くせりの厚意に応えようとナインは意欲たっぷりで、「V2を果たすことが恩返し」と練習に熱を入れている。

北國新聞社

最終更新:3/7(火) 2:20
北國新聞社