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久保建英が一晩で見せた変化とは?年上にも臆さないバルサ仕込みの“コミュ力”/コラム

GOAL 3/9(木) 9:32配信

FC東京U-18に所属する15歳の久保建英。攻撃センスの高さで自らの可能性を示し、2世代上のU-20日本代表でも十分戦力になることを証明した。

5月にFIFA U-20 ワールドカップ韓国2017を控える中で、今年初の合宿を行った若き日本代表は、3月8日にFC東京との練習試合に挑んだ。前半と後半で全てのメンバーを入れ替えた中で、バルセロナ育ちのアタッカーに出番が回ってきたのは1-0で折り返した後半の頭。「4-4-2」の最前線に入って小川航基(ジュビロ磐田)とコンビを組むと、53分にいきなりチャンスを迎える。

原輝綺(アルビレックス新潟)のボール奪取からゴール前で小川がラストパスを送ると、フリーで構えていた久保が左足でシュート。「あそこは決めないといけなかった」という一撃がネットに吸い込まれ、久保がチームに追加点をもたらす。

その後は相手に試合の主導権を奪われたため、攻撃の時間が激減。前線にボールがなかなか入らず、久保の持ち味が生きる場面は少なくなった。それでも良い状態でボールを受けると、パスやドリブルで存在感を発揮。チームの3点目は奪えなかったが、久保のクリエイティブな攻撃センスは上の世代でも十分に通用することを知らしめた。

1ゴールの活躍を見せた久保。しかし、合宿初日となった7日の動きを見る限り、FC東京戦でゴールを決めるほどの活躍は予想できなかった。特に11対11の紅白戦では前線で孤立し、思うようにボールを引き出せない場面がほとんど。それは本人も「昨日(7日)は思ったよりもできなかった」と自覚していた。では、なぜ一晩でここまで修正できたのか。その理由は7日の練習後に意見交換を行ったからだ。

思い通りのプレーができなかった久保は自分を理解してもらうべく、臆することなく先輩たちに自らの特徴を伝える行動を取った。「昨日(7日)の夜に前の選手たち(小川などの周り)とコミュニケーションを取って、自分の要求を伝えた」と久保。その結果、コンビネーションがスムースになった。前線でコンビを組んだ小川も話し合いの効果を明かす。

「FWというよりはシャドーに落ちてプレーをするのが彼の得意なところだと思う。そこで前を向いてくれれば、自分が動きやすくなる。そこは試合前に口酸っぱく、『お前のところで前を向いてくれれば、必ず動き出すから』と言っていた。そのシーンが2、3回あったので、決め切れなかったけど良い手応えは感じている」(小川)

そのやり取りが結実したシーンが86分の場面だ。左サイドで前を向いた久保は小川の動き出しを見逃さず、的確なスルーパスを配給。惜しくもゴールとはならなかったが、小川の飛び出しと相手の最終ラインを瞬時に判断して決定機的なチャンスを作り出した。このような場面が更に増えれば、攻撃で違いを作り出す存在として不可欠になっていくだろう。

フィジカル面や守備能力は世界の舞台を考えれば分が悪いが、それを補って余り有る攻撃力を秘めている久保。現状では攻勢を仕掛ける際のジョーカー役が最適な役割だろう。「この大会は世界のトップレベルで活躍している選手がいないわけではない。なので、その差を確かめる上で良い機会。(今後世界に挑戦するのであれば)、自分が避けては通れない選手たちとの対戦なので、そこに挑戦したい気持ちは強い」という久保だが、U-20ワールドカップで世界の猛者たちと互角に割り合える可能性は十分にある。

「今日(8日)出したプレーが、いまできる最大のプレー。ここからもっとユースでやれているプレーを出していければと思う」(久保)。現状に満足していない15歳は、大会までに残された約2カ月半でさらなる成長を遂げられるか。彼のプレーに今後も注目したい。

文=松尾祐希

GOAL

最終更新:3/9(木) 9:32

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