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米3月利上げ観測高まる、なぜ慎重から前向きに転換?

3/9(木) 12:36配信

THE PAGE

 米国で3月に利上げが実施される可能性が急速に高まってきました。米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)はこれまで3月の利上げには慎重と言われてきましたが、なぜ、利上げに前向きな姿勢に転じたのでしょうか。

利上げ観測が高まった理由とは?

 現在、米国の長期金利(10年物国債の利回り)は約2.5%となっており、トランプ氏が大統領選に勝利して金利が急騰して以降、同じ状況が続いてきました。トランプ氏は、経済政策として総額1兆ドル(約114兆円)のインフラ投資や法人税や所得税の大幅な減税を掲げてきました。

 これらの政策はマクロ経済的には金利の上昇を引き起こしますから、政策金利もそれに合わせて上昇させていく必要があります。このため、2017年は2回から3回の金利引き上げが実施されると市場関係者は予測していましたが、時期はもう少し後というのが大方の予想でした。実際、FRB幹部も3月利上げに対しては慎重姿勢が目立っていました。

 状況を大きく変えたのがトランプ大統領の議会演説です。トランプ氏は2月28日、就任後初めて議会で演説を行いましたが、その内容は事前の予想通りで、よい意味でサプライズはありませんでした。減税については具体策が提示されるまでには至りませんでしたが、インフラ投資については議会に対して法案を成立させるよう要請するなど、経済政策がより具体的になってきました。

 こうした状況を受けてFRBのイエレン議長は3月3日の講演で3月の利上げを示唆する発言を行い、市場では一気に利上げ観測が高まったのです。

いずれはFRBのバランスシート縮小の議論に

 これまでFRBは、利上げを急ぎ過ぎて景気の腰を折ることを心配していましたが、トランプ経済が実行に移されるとなると、むしろ、景気が過熱し、インフレが進み過ぎることを警戒する必要が出てきます。10日には2月の雇用統計が発表となりますが、この数字が良好であれば、かなりの確率で3月に利上げが決定されるとみてよいでしょう。

 もし3月に利上げが実施され、米国の景気が腰折れすることなく推移した場合には、年内に2~3回の利上げが行われる可能性が高くなります。その後も景気拡大が続けば、いよいよ量的緩和の後処理の最終段階であるFRBのバランスシート縮小の議論が出てくるでしょう。

 日本は依然として量的緩和策の最中ですが、もし米国がバランスシート縮小の段階に進むことができれば、米国経済は量的緩和の終了、金利引き上げ、バランスシート縮小と、日本より3段階も先に進むことになります。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:3/14(火) 14:03
THE PAGE

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