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浜岡原発避難 退域時検査所16カ所指定 静岡県、月内公表へ

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS 3/9(木) 8:10配信

 中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)の重大事故を想定した広域避難計画の退域時検査場所について、県は8日までに、今月中に同原発から半径31キロ圏境界付近の東西計16カ所を指定する方針を固めた。関係者への取材で分かった。県は大規模地震との複合災害が起きた場合に向かう県外避難先の受け入れ市区町村約350カ所も、今月中に公表する。

 退域時検査は避難先へ向かう前に必要で、避難者は放射能汚染がないことの証明書を受け取り、汚染があった場合は除染を受ける。

 指定箇所は東名高速道路や新東名高速道路、国道1号バイパスといった幹線道路沿いのサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)などの駐車場になる見込み。災害発生時は指定箇所に検査・除染用のテントを張り、車両を調べるゲートモニターや避難者の体表面を調べる装置などを設置する。2月に県と同原発周辺11市町が実施した原子力防災実動訓練では、浜松市の新東名下り浜松SAと藤枝市の国道1号バイパス谷稲葉PAを使用した。

 県は既に指定予定箇所の地元自治体の了解を得て、施設管理者と最終調整を行っている。県原子力安全対策課は「退避時検査場所と避難先市町名が確定すれば、広域避難計画の基幹部分が整う。関係市町と連携し、今後も計画の実効性を高める努力を続けたい」としている。

 県は2015年度末に策定した広域避難計画で指定箇所数を公表したが、具体的な設置場所をいつまでに決めるか明らかにしていなかった。



 ■広域避難計画 年度内の策定 御前崎除く10市町見送り

 浜岡原発から半径31キロ圏内の11市町に義務付けられている広域避難計画について、立地市の御前崎市以外の10市町が本年度中の策定を見送る方針を示していることが8日までに、県の聞き取り調査で分かった。県は本年度中の計画策定を求めてきたが、市町側は「自宅から避難場所まで避難の全体像が把握できないと、住民に説明できない」と訴えている。

 県は退域時検査場所と県外避難先の受け入れ市町名を今月中に公表する方針だが、市町側からは県外避難先に向かう際の目印になる「避難経由所」や、大地震で交通網が寸断された場合を想定した複数の避難経路の設定などを求める声が上がっている。

 5キロ圏内の予防防護措置区域(PAZ)にある御前崎市全域と牧之原市の一部で、本年度始まった甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤の事前配布についても、対象区域の拡大を求める要望がある。

 地元4市を構成する御前崎、牧之原、掛川、菊川の4市長が2月に、川勝平太知事に避難経路整備などを求める要望書を提出した際にも、御前崎市以外の首長3人が「現状で実効性ある計画を作るのは困難」と述べていた。



 <メモ>浜岡地域原子力災害広域避難計画 浜岡原発から31キロ圏の約94万人が対象。原子力災害単独の場合は県内市町や近隣県に避難し、想定される南海トラフ巨大地震などとの複合災害時は関東、甲信、北陸地方の都県まで向かう。5キロ圏の予防防護措置区域(PAZ)は全面緊急事態で一斉避難を開始し、5~31キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)は屋内退避後、空間放射線量率が基準に達した地区ごとに多段階避難を行う。避難手段は原則自家用車で、要配慮者らはバスを使用する。観光客ら一時滞在者には一般住民の避難開始前に、圏外退避を求める。

静岡新聞社

最終更新:3/9(木) 10:21

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

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