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サンウルブズ・田村熙、ハリケーンズ戦の悔恨とリベンジへの「準備」を語る。

3/9(木) 12:15配信

ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン)

 後半2分、田村熙は頭を強く打って退場した。その時点で5-50と大量リードを喫していた。口をつくのは後悔の念だ。

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「後半からは入ってからアタックをしていこう…と言われていて、それをやりたかったんですけど…。あとでビデオを観たら、代わって入ったメンバーがいいアタックをしていた。あれを僕が前半からやれたら、もっと違った展開になったかなと思います」

 2月25日、東京・秩父宮ラグビー場。国際リーグのスーパーラグビーは開幕節を迎えた。この時は日本のサンウルブズが前年度王者のハリケーンズと対戦。今季からサンウルブズに加入した田村熙は、司令塔のSOとして先発していた。

 田邉淳アタックコーチの唱えるプランに基づき、防御の裏へ短いキックを蹴り続けた。味方選手のボール再獲得からいくつかチャンスを作ったが、前半33分まで得点できなかった。守っては少ない手数でスペースをえぐられ、前半だけで45失点を喫した。そして、痛恨の退場劇を迎える。

 終盤のサンウルブズは、途中出場したSHの茂野海人らを軸にテンポよく球を回していた。スコアを連取した。それだけに田村熙は、17-83の敗戦にはこう唇を噛んだ。

「キックで相手のディフェンスを惑わせるプランだったんですけど、そこに僕がこだわりすぎた。そこはもっと攻めてもよかった部分もあった。ビデオを観返してもそう思いましたし、やっている間も少しそう思った…。(途中から)点差も離れていたので、もう少しアタックマインドで行けたらよかったです。キックでも何本かいいチャンスを作れたけど、うまくバランスを取らないと」

 現在、チームは長期遠征中だ。3月4日にはシンガポール・ナショナルスタジアムでキングズに23-37と敗戦。現地時間11日の第3節で、チーターズから今季初白星を狙う(ブルームフォンテイン・フリーステイトスタジアム)。

 もっとも田村熙は、このツアーに帯同できなかった。この国に残り、NDS(ナショナル・デベロップメント・スコッド)キャンプに参加している。日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチが陣頭指揮を執るなか、サンウルブズのツアー不参加組と山田章仁ら日本代表候補選手が一堂に会す。

 圧力下でのハンドリングスキルなど、いまのサンウルブズや日本代表が求める基本的資質を磨き直す。

 故障者が出たこともありハリケーンズ戦のスターターとなっていた田村熙は、いまを再起への助走期間と捉える。

「ハリケーンズ戦の先発もそうですけど、何が起こるかわからない。サンウルブズの役割を忘れないように、いつ呼ばれもいいような準備をしたいと思います」

 明大卒1年目の前年度は、東芝のルーキーとして国内のトップリーグで持ち前の攻撃力を披露した。兄の優も所属するサンウルブズへ加わり、いまに至る。

 次の春から迎える社会人2年目を、競技生活のターニングポイントとしそうな身長175センチ、体重85キロの23歳。今後、王者から得た学びをどう活かすか。

(文:向風見也)