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誰もが認める小林の成長 “侍の正捕手”はここにいる

3/9(木) 12:01配信

ベースボールキング

 小林誠司は侍の正捕手へと成長した。

 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で王座奪還を目指す侍ジャパンは8日、オーストラリア代表と対戦。4-1で勝利し、2次ラウンド進出に大きく近づいた。

 「ちょっと上から目線になってしまうんですが」。こう前置きした上で、菅野智之は言う。「ここまで二人三脚でやってきましたが(小林)誠司はすごく成長した。それがうれしかった」と。

 この日、試合を作ったのは、間違いなく侍の扇の要・小林だ。

 巨人でもバッテリーを組む菅野と先発した小林。「なかなか打撃の形が崩れなかったので、苦しかったが、粘り強くできたかな」と振り返る。結局、デサンミゲルに先制ソロを許すも、動揺することなく、4回1/3を4安打1失点に導いた。

 侍のエースを信じていた。「一番良いものを引き出せるように。良い投球ができれば必ず勝てると思っていたので」。

 「(菅野は)気持ちも入っていて、良い球がきていた」と絶賛。その球を殺すことはできない。「駆け引きの中で、押したり引いたりしながら」と菅野の投球が最大限に生きるリードを考えた。



 しかしこの日、小林の一番はここではないだろう。

 5回、菅野が球数制限のため1死、一二塁で降板。2番手・岡田俊哉にマウンドを託した。ところが、岡田は投球が定まらず暴投、ストレートの四球で満塁のピンチを背負った。ここで権藤博投手コーチがマウンドへ向かったが、変化なし。次の打者にも2球連続ボールとなった。

 ここで小林がマウンドの岡田に駆け寄る。そして一言「思い切って投げてこい」と。

 若き左腕は女房役の言葉で変わった。外角直球で二ゴロ併殺に仕留め、ピンチをしのいだ。

 「間を取りたかった。誰でも緊張する。しかもランナー背負って、ああいう独特の中で投げることは難しい。流されるんじゃなくて、自分の投球をしてほしかった」と小林。自身の投球を取り戻してもらうために、岡田が一番自信のある真っ直ぐを要求した。

 ピンチを乗り切った後、ベンチでは最上級の笑顔。「僕も嬉しかった」と興奮気味に振り返る。「孤独の中でやっていたと思うので」。

 菅野もこの状況をベンチから祈るように見ていた。「5回を投げきらないといけない場面なのに、回の途中でマウンドを託してしまい申し訳ない」気持ちだった。しかし、大ピンチを乗り切った小林と岡田。そこで冒頭の菅野の言葉に戻る。「誠司は成長した」。これまでの頼りなさは、もう感じられない。

 ベテランの嶋が開幕直前で離脱。“正捕手不在”とまで言われた。しかし、小林は意地を見せた。「正捕手は俺だ」と。

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