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“申告制敬遠”に異議あり! 幾多のドラマを生んできた敬遠がもつ魅力

3/9(木) 12:00配信

ベースボールキング

“試合時間短縮”が目的と言うが...

 現地時間3月2日(日本時間3日)、米大リーグ機構(MLB)と選手会が今季のルール変更を発表。中でも注目を集めたのが、『敬遠四球』が守備側の監督による申告制となり、ボールを投じることなく打者が一塁へ進塁することとなった点だ。

 MLBが近年推し進めている試合時間短縮のための改革だと言うが、昨季のMLBにおける敬遠は2.46試合にひとつという計算であり、このルール変更が試合時間短縮に効果的だとはあまり思えない。

 そもそも、ファンは試合時間の短縮を望んでいるのだろうか...。

 イニング間にお目当ての“球場メシ”を買いに行ったり、緊迫した場面以外では試合を見ながらも仲間たちと野球談義に花を咲かせることも野球観戦の大きな楽しみだろう。なにかと比較されるサッカーとは異なり、いい意味での“のんびり感”こそが野球の魅力でもある。

新庄の“伝説の一打”は再現不能に

 新ルールの採用による最も残念なところは、“敬遠を巡るドラマ”が生まれる機会が完全に消滅してしまうことだ。メジャーに限らず、日本のプロ野球においても幾多のドラマを生んできた。

 いまも語り草となっている“敬遠ドラマ”と聞いて、野球ファンがまず思い出すのは新庄剛志(元阪神ほか)だろう。阪神時代の1999年6月12日、巨人との伝統の一戦でその伝説は生まれた。

 同点で迎えた延長12回裏。一死一、三塁で打席に立ったのは、8回に同点ソロを放つなどこの日3安打の4番・新庄。巨人ベンチは敬遠を指示するが、マウンドの槙原寛己(元巨人)が投じた1球目は外し方が甘かった。

 「これなら打てる!」と確信した新庄は、直後の2球目に思い切り足を踏み込みバットを振り切る。打球は大きく開いている三遊間を抜け、三塁走者の坪井智哉が生還。まさかのサヨナラ勝ちとなった。

 この“伝説の一打”には、知られざる秘話も存在する。3日前の広島戦で敬遠された新庄は、「バットを伸ばせば届くのではないか」と感じたていた。そこで当時の柏原純一打撃コーチとともに大きく外されたボールを打つ練習をあらかじめしており、それを知っていた野村克也監督も敬遠打ちに関して容認していたというのだ。

 ちなみに、柏原もまた日本ハム時代の1981年に敬遠球を打ったことがある敬遠打ちの“先輩”。それも新庄はヒットだったが、柏原は本塁打にしている。

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