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東日本大震災で廃業寸前、ピンチをチャンスに変えた加工品会社の復興ストーリー

3/10(金) 9:01配信

ネットショップ担当者フォーラム

東日本大震災直後、廃業寸前に追い込まれたある加工食品会社が新たな一歩を4月に踏み出そうとしている。岩手県大船渡市に本社を置く水産加工会社「及川冷蔵」。従業員を全員解雇し廃業を覚悟したあのときから6年がたった。「けっぱれ岩手」――こうした言葉に後押しされ事業再生にまい進、ネット販売などを通じて事業再生を成し遂げた「及川冷蔵」の復興ストーリーに迫る。 ※楽天さんの紹介を受け、楽天カンファレンス仙台で取材し、記事にしました。


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「楽天市場」のお客さまから、励ましの手紙やメールをいくつも貰ったんですよ。わざわざ会社まで足を運んで激励してくださった方までいて。うちの店のことをそこまで思ってくれる方がいるなら、再開しなくてはいけないと思いました。
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津波で工場は全壊し、販売するものがなくなった。廃業を覚悟した。だが、震災後、楽天市場で常連客だった方たちから励ましの声がいくつも届いた。だから事業を再開した――こう振り返るのは、海産物の加工と販売を手がける及川冷蔵の及川廣章社長。

文化2年(西暦1805年)の創業。主力事業は、イクラやサンマなど海産物を一次加工して全国の食品会社への卸売り。直販を始めたのは2000年3月。「楽天市場」に出店し、「及川屋」の屋号で海産物の加工品のECをスタートした。

当時はインターネットで食品を買う消費者は少なかった。だが、EC市場拡大の時流に乗って売上高は右肩上がりで伸びた。震災前、EC事業の年商は最高で約1億6000万円に達していた。

 

2棟の自社工場が全壊し廃業も覚悟

EC事業が順調に成長していた2011年3月11日、東日本大震災と直後の津波で2棟の自社工場がほぼ全壊した。ECを含む全ての事業が休業に追い込まれた。及川社長は、3月末に約50人いた従業員全員を解雇する決断を下した。

震災後、地元の漁港での水揚げの見通しが立たたない状況が続く。廃業を決断する水産加工業者も増えていった。「廃業が頭をよぎった」(及川社長)。

自社工場の全壊、従業員の解雇。事業を再開できる状況ではない。だが、廃業の決断を下すことはなかった。

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長年培ってきた及川冷蔵の伝統と歴史に誇りがありますし、お客さまや従業員のためにも、なんとしても再開したいという想いがありました。
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こうした想いが及川社長を突き動かし、「震災後1年以内に事業を再開する」と決心した。

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