ここから本文です

指原莉乃に見た“偉大なるMC”の片鱗 元日テレ敏腕Pが語る

日刊ゲンダイDIGITAL 3/10(金) 9:26配信

コラム【このMCなぜ凄いのか】

 先ごろSTU48の劇場支配人兼メンバーになるという“人事”が発表された指原莉乃さん(24)。AKB48グループ有力メンバーの卒業が相次ぐなか、八面六臂の活躍を続けています。MC目線で彼女を見た時に感じるのは「瞬発力」があることです。僕自身はMCとして仕事をご一緒したことはありませんが、客観的に見て、“器の大きさ”を感じます。

 AKB48がブレークする前から番組を手がけていた毛利プロデューサーから聞いたエピソードを一つ披露したいと思います。

 劇場イベントの打ち上げの席で、指原さんが彼に「私は“ヲタ芸”が得意なので、なんかあったらぜひ使ってくださいね」と話しかけてきた。「スタッフに直談判するなんて、面白い子だなあ」と印象に残っていたそうです。その後、すぐに生かせる機会が生まれました。企画会議でメンバーの得意技を披露する企画があったので、指原さんのことを思い出して、ヲタ芸をやってもらった。ヲタ芸とは、アイドルを応援するオタクたちの独特の踊り。つまり、自分たちのファンの真似をするという意味で「自分を客観視」できる人でもあるのです。

 そういう押しの強さも含めて、彼女は「セルフプロデュース能力」が高い、というのが毛利プロデューサーの評価でした。それは、ブログでも発揮されました。「指原クオリティー」という、タイトルもさることながら、その文章に光るものがあって、秋元康さんが「これからは指原を推すから」とスタッフに言ったそうです。それを聞いた周りのスタッフは、「冗談だろう」と半信半疑だったそうですが、その後の活躍は皆さんも知っての通りです。多少のスキャンダルをものともしない、しなやかでしたたかなのが指原さんなのではないでしょうか?

 僕自身も新しい番組のMCの候補には、いつのまにか彼女の名前を挙げることが多くなっていました。

 他にも周りを振り回しつつ、自分のペースに巻き込むのが上手です。観察力にも優れているので、人の懐に入るのがうまい。彼女の「逆転力」という著書に、「偉いおじさんとのコミュニケーションの仕方」が書かれています。

 そこには2種類の人がいて「すごく偉い人」と「ちょっと偉い人」によって対応を分けているそうです。一見したたかに見えるその対応は本人のセルフプロデュース力のなせる業かと思います。24歳にしてそれを身に付けている指原さん。セルフプロデュースを超えてAKBグループのなかでも偉大なMCへの道を着実に歩んでいるように思います。

▼三枝孝臣(さえぐさ たかおみ)
1966年東京都生まれ。89年に日本テレビに入社、「ZIP!」「スッキリ!!」「シューイチ」など情報番組から、「THE夜もヒッパレ」「DAISUKI!」などバラエティーまで、手掛けた番組は100を超える。2015年に日本テレビを退社。近著に「一流のMC力」(東洋経済新報社)がある。

最終更新:3/10(金) 9:26

日刊ゲンダイDIGITAL

Yahoo!ニュースからのお知らせ