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新垣結衣出演のネット小説原作ドラマ 「ドキュメンタリーの良さを目指した」

オリコン 3/13(月) 8:00配信

 特集ドラマ『絆~走れ奇跡の子馬~』(NHK総合)が、3月23日と24日(後7時30分~ 前後編)に放送される。原作は競馬情報総合サイト『netkeiba.com』連載の同名競馬小説で、役所広司、新垣結衣といった豪華出演陣も話題となっている。同作は、東日本大震災で傷つきながらも前を向いて進む家族の物語が描かれている。番組制作統括の浅野敦也氏(ドリマックス・テレビジョン)が、こだわりの演出やキャスティングについて語った。

【写真】『逃げ恥』以降、初ドラマ出演の新垣結衣

◆「逃げ恥」以降、ドラマ初のガッキーと久々のドラマ出演となった役所広司

 ドラマの魅力を大きく左右するのはいうまでもなくキャスティングとストーリーである。3月23日、24日に放送される特集ドラマ『絆~走れ奇跡の子馬~』は、役所広司を主演に、『逃げるは恥だが役に立つ』の放送後最初のドラマとして話題の新垣結衣が出演し、親子役を演じる。制作統括の浅野氏は、話題性十分なキャスト陣の起用についてこう言う。「役所さんは映画を中心に活躍されていてドラマにはあまり出演されませんが、“この内容だったら”と今作のテーマやストーリーに賛同して主演を引き受けてくださいました。また原作にはありませんが、女性が立ち上がっていく姿を描きたいとも考えていたので、ドラマ用に主人公の娘役を設定し、今輝いている女優のひとりである新垣さんに出演をご相談しました。『逃げ恥』とはまた違う、新垣さんの新たな一面が見える役どころになったのではないかと思っています。ほかにも母親役の田中裕子さん、息子役の岡田将生さんと、素晴らしい演技をされる俳優の方々に多くご出演いただいています」(浅野氏)

 数多くの作品に出演する役所広司の心を動かした今作は、東日本大震災で長男を失った家族に、震災の日に生まれた子馬が残され、父と娘は亡き兄が夢見た競走馬に育てようと決心。厳しい現実などにも直面するが、家族の絆によって諦めず前を向いて進む人々の姿を描く。福島県出身である浅野氏は特別な想いを持って今作を企画。6年目となる今年も震災の記憶を風化させないようにと編成されたNHK総合の特集ドラマに採用された。NHKサイドの制作統括・土屋勝裕氏も「福島の現状を描きながらも、普遍的な家族の繋がりがテーマにある。広く日本中の皆さんに届けたいドラマだと思いました」と自信を見せる。

◆原作は競馬情報サイトの連載作品、映像化原作として注目のネット発の小説作品

 また今作では「馬」も重要な登場人物。撮影中、新垣も子馬に噛まれたりと悪戦苦闘したというが、ふれ合うなかで、クランクアップ後には「馬が恋しい」と漏らしていたというほどで、いかに馬と密接に付き合うストーリーが描かれているかがわかる。

 原作は競馬情報総合サイト『netkeiba.com』連載の同名競馬小説で、現在もサイト上で閲覧できる。ドラマ化をきっかけに2月24日には書籍発売もされた。浅野氏は、届けたい内容を明確にしたうえ「震災」や「馬」「自然」といったキーワードから探し出してこの原作に辿り着き、原作者の島田明宏氏にオファーしたという。今作に限らず、ここ最近はアニメや漫画でのヒットが多かったネット発の小説作品が、実写化される例も増えてきており、4月クールでは小説投稿サイト『エブリスタ』発の『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』の連続ドラマ化をフジテレビが発表するなど、映像化原作を探す場として注目されている。「有名無名にかかわらず、映像化したらもっと輝くだろうなと思える新たな切り口の作品は常に探しています。ネット掲載の小説もよくチェックしています」(浅野氏)

 ところで、これまで多くのヒット作を手がけた浅野氏が目指すドラマ作りは「面白くかつ見たことがないもの」。そのこだわりは今作にも散りばめられている。例えば、通常は1シーンに10~20カットが多いのに対し、今作では演出過多なカット割りをやめ長回しカットを多用。音楽も極力控え、生の空気感や自然の息吹を聞かせる演出を行った。「余白を作り、視聴者に押し付けがましくないドキュメンタリーのような良さを目指しました」と浅野氏のドラマ制作への飽くなき探究心の窺える作品となっている。

(文:長谷川朋子)

(コンフィデンス 17年3月13日号掲載)

最終更新:4/19(水) 18:19

オリコン