ここから本文です

情報交換の場に…新コンセプト映画館が吉祥寺にオープン

オリコン 3/13(月) 8:00配信

 映画を通して「出会える場」をコンセプトにしたシネマカフェ『ココロヲ・動かす・映画館〇』が、4月15日に東京・吉祥寺にオープンする。飲食店から一般的な映画館、ライブスペース、VRシアターなどを設けた同所は、アプリゲーム会社を興し、ゲーム業界で活躍するデジタルワークスエンターテインメント代表取締役の樋口義男氏が手がけた。その樋口氏が、他業界からの参入らしい大胆な仕掛けの狙いについて語った。

【写真】カフェも併設、快適さを重視した空間

◆ゲーム業界のノウハウを活用、生活の延長線上となる充実した映画館を目指す

 ここ数年、飲食店を併設する映画館を全国で見かけるようになった。コンセプトを創出したのは映画の配給会社であるアップリンクだろう。逗子のCINEMA AMIGO、富山のほとり座、愛媛のシネマルナティックと、映画を生活の延長上にあるものと定義し、ハードルを下げ、気軽に楽しんでもらおうとしている。4月15日に吉祥寺にオープン予定の「ココロヲ・動かす・映画館〇」は、それらのさらなる充実を目指す。元洋菓子店が入っていた3階建てのビルに、1階は約60席の従来型映画館、2階は約60席の飲食しながら映画やライブを楽しめるスペース、3階はスクリーンも所有するがVRシアターやイベントスペースにも活用できる。社長で総支配人の樋口義男氏は、「“心を動かされた”という言葉がすごく好きなので、それをストレートに映画館名にしました。そして“ココロヲ・動かす・映画館”は“丸”なんだと肯定するイメージで最後に〇を。略称は“ココマル”です」と語る。

 小さい頃から映画好き。大学生で映画監督を志し、両親にハリウッド行きを願い出たこともあるという。「ウォルト・ディズニーの伝記を読むと、20歳くらいで起業して失敗して、また起業して。それを繰り返して最後に成功している。これだ!と思いました」(同氏)

 まずはちゃんと資金を作らないと何もできない。「夢はディズニー」を目標に据え、当時右肩上がりの成長を遂げていたゲーム業界に入り、2001年ゲーム制作会社、デジタルワークスエンターテインメントを設立する。“ココマル”の面白さは、これまでゲーム業界で樋口氏が得たノウハウが随所に活かされている点にある。「ビジネスでいつも考えるのは、今のやり方を変えることで利益を上積みする方法です。ゲームもそうですが、日本だけで作っていても売り上げは拡大しない。ベトナムなどに支社を作ったのが約10年前。やっと大きな利益を得ることができました」(同氏)

◆ソフトが同じならハードを変えなければお客さんは来なくなる

 劇場を作ったのは、挑戦する場所を作りたかったからだという。「ソフトが同じならハードを変えなければお客さんは来なくなります。映画の幕間の1時間をコーヒーが飲めるプラネタリウムにすれば、若者やカップルが来てくれるんじゃないか。その間は無料。始まった映画を観るなら有料とすれば、何人かは残って観てくれるのではないか。邪道だといわれましたが、やってみないと納得いかないタイプなので」

 樋口氏は、ココロヲ・動かす・映画社〇として配給も手がける。昨年11月26日に公開した台湾映画『私の少女時代』では主人公と仮想会話できるスマートフォン用アプリを開発した。その無料アプリでは主人公と自分の相性占いや、パンフレットのような情報を楽しむことができる。「ゲーム業界の人気声優を使った吹替版も作りましたが、劇場さんはそれぞれのカラーや運営があるので100%取り入れていただくのは難しかった」。であるからこその自社運営劇場。「台湾映画は50~ 60代がメイン客層ですが、本作は10~20代のお客様が観ても面白い映画。若い世代が来る仕組みを作りたいんです」

 映画館を、仲間作りや情報交換の場としても機能させたいと語る。近日中にはそこにアプリも介在させていくという。最終的にはこの場をフランチャイズ化し、全国で展開したいと夢を語る。コミュニケーションを軸とする映画館が新たな客層を呼び込めるか、今後の動向も注視したい。

(文:関口裕子)

(コンフィデンス 17年3月13日号掲載)

最終更新:4/19(水) 18:18

オリコン