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復興進み果実に新顔 販路拡大へ奮闘 東日本大震災から6年

3/10(金) 7:00配信

日本農業新聞

 東日本大震災から11日でまる6年。農地の復興や加工施設の再建が進み、次なる課題は販路だ。果実ではイチゴやリンゴで、新顔が目に付き始めた。企業が行う被災地支援でも、新たな農産物をPRするなど、単に食べて応援するといった形から、販売を後押しする形に変わりつつある。

 宮城県のイチゴのオリジナル品種「もういっこ」の出回りが増えている。東京都内の卸によると、2016年の入荷量は14年の1・6倍。「もともとは4、5月に入荷が多かった品種だが、糖酸のバランスが良くすっきりとした甘さにファンが増えている」と卸売会社は説明する。首都圏で100店舗を運営するスーパーは「復興関連のフェア開催時だけでなく、通常でも売り場を広げられる」と評価する。

 宮城県内のイチゴは沿岸部の大津波で一時壊滅的となった。その後、イチゴ団地などで復興が進む。JA全農みやぎは「出荷量は着実に増えている。今後も関東で売り先の拡大をしっかり進めたい」と強調する。

 岩手県のリンゴのオリジナル品種「はるか」も流通業者が関心を示す。黄色系で、糖度が高く、蜜が詰まっているのが特徴。JA全農いわてによると、16年度の出荷量は前年度比11%増。「震災後、売り込んで徐々に知名度が上がってきた」と感触をつかむ。

 昨年12月には、「はるか」の中で、糖度16以上など厳選したブランド「冬恋」の首都圏への本格出荷が始まった。卸売会社は「贈答用としての引き合いが強い。冬恋の登場で、今後も需要が伸びる」と期待する。

 企業が行う被災地支援でも農産物の新品種が目に付き出した。国内通信大手のKDDIは東京都内で8日、宮城、福島、岩手の被災3県を対象に「復興支援マルシェ」を行った。福島産のブースにはオリジナル品種のイチゴ「ふくはる香」などが並んだ。「東京のお客にも味を知ってもらいたい」と同県アンテナショップ担当者は話す。

 会場では、岩手県のアンテナショップ「いわて銀河プラザ」も出店。津波で大きな被害に遭った陸前高田市のブランド米「たかたのゆめ」を使った米粉カステラを売り込んだ。

 担当者は「商品企画やパッケージが優れていても、販売したいターゲットが明確でないために、なかなか売り先を広げられない。今後は販路拡大が課題」と指摘する。

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最終更新:3/10(金) 7:00
日本農業新聞