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《多国籍な教育現場》子供たちの体温は伝わるか?=静岡県清水町の教育の取組み (1) 多様化する小中学校の現実

3/10(金) 6:52配信

ニッケイ新聞

 【静岡県発】外国につながる子どもたちが、日本の学校で学び、地域や社会で活躍できるようになるには、何が足りないのだろうか。今後も外国人・日本人の出入りは増加し、地方都市のグローバル化が進んでいくことが予想されるが、いつまでも「外国人は例外」の扱いをされている。静岡県清水町を舞台に、小さな町にありながら、できることや人を駆使して日本語支援をする小学校と、そこから新たに見えてきた壁を取材した。(秋山郁美通信員)



 「財政面は厳しいですが、緊急性が高く、今困っている子どもたちをどうにかしてやらなければと思っています」。

 昨年、県東部各市町の教育委員会に日本語支援の状況を尋ねた際に印象に残ったのが、駿東郡清水町教育総務課武藤剛さんの、熱のこもった言葉だった。
 日本語の支援が必要な子どもたちの「困っている」状況に関しては、子どもたちに接している支援者らはもちろん親身になっているが、関係機関であっても一段離れるごとにその逼迫の度合いが薄れていく、とそれまで感じていた。
 教育総務課で「子どもたちをどうにかしてやらなければ」と訴える武藤さんに、会いに行くことにした。

    ☆

 静岡県東部に位置し、三島市と沼津市に接する駿東郡清水町は、いかにも小さな自治体だ。でも人口約3万2千人の町に、外国人の数は千人を超え、その割合は沼津市よりも高く、3%を上回る。

 同じ駿東郡でも隣の長泉町は0・8%と低いが、清水町には古くから自動車部品の工場や下請け会社があるため、外国人動労者が多い。

 特に、自動車部品等の製造をする臼井国際産業では、多くの外国人が派遣労働者として勤めており、その子どもたちは学区内の町立の小中学校に通う。

 同町教育総務課を訪ねると、武藤さんに加えて、山下和之教育長、古屋勲参事から、近年の町の外国人の転入状況や外国籍の子どもたちが転入から学校へ入るまでの流れを説明された。

 「(リーマンショックや震災の)影響はあまりなく、大きな減少はありませんでした。毎年転出より転入が多く4月は転入生のほとんどが外国人です」(武藤さん)。

 「昔から外国人が多いので、コミュニティがわりとしっかりしているんです。前から住んでいた方が役場に一緒に付いてきてくれることもあり、我々は甘えているところもあるかもしれません」と古屋さん。

 支援に関しては、「人手不足ですが、学校で柔軟に対応してくれています。西小学校では4~6年生で特に外国籍の子が多いので、来年度から中学で多くなるんです」と武藤さんが懸念を語った。

 まずは実際の状況を、と全校児童の1割以上が外国籍になる西小学校に向かった。(つづく)

最終更新:3/10(金) 6:52
ニッケイ新聞