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【藤波辰爾45周年ヒストリー】(25)雪の札幌 テロリスト藤原喜明出現

スポーツ報知 3/10(金) 15:00配信

◆1984年2月3日、札幌中島体育センター

 宿敵、長州力と名勝負を展開した29歳の藤波辰爾は、充実の時を迎えていた。1984年2月3日。札幌中島体育センターで長州との一騎打ちが組まれた。前年の9月以来、5か月ぶりの対決は、テレビ生中継。試合前からファンの期待は膨れあがっていた。

 「この時は、札幌だけじゃなく自分と長州との戦いで日本中が沸き返っていた」。

◆花道で藤原が長州を襲撃

 ところが、予期せぬ事態が起きる。長州のテーマ曲「パワーホール」が鳴り響き、花道に姿を見せたその時だった。中堅レスラーの藤原喜明が突如、現れ金具で長州の額をめった打ちにしたのだ。大流血しリングに上がった長州だったが、試合はゴングが鳴ることもなく不成立となった。

 「藤原が長州を襲うことは、事前に何も聞いていなかった。そういうのは、知りたくもないし、知ろうとも思わない」

◆「こんな会社辞めてやる」

 長州の反逆と同じようにまったく知らなかった藤原のテロ行為。「名勝負数え歌」と評された2人の戦いへの横やりに、温厚な藤波がついにキレた。制止する若手選手に張り手を浴びせタイツ姿で会場を出た。会場の外まで若手レスラーだった高田伸彦(現・延彦)が心配して付いてきたが、思いっきり張り飛ばした。追いすがる記者に「こんな会社やめてやる!」と吐き捨てた。

 「自分の試合を壊されたことがあの言葉になった。あのころは自分も長州を認め、戦っていて心地よかった。それなのに、そういう2人の戦いをぶち壊そうという勢力がこの会社の中にいることを感じた。自分の試合を壊されて頭に血が上った。会社がやることに自分自身、何か違うなと思った」

◆タイツ姿のままホテルへ

 雪が降るなか、タイツ姿のままタクシーに乗ってホテルへ戻った。

 「体に血が付いたままの裸で帰ってね。“着替えもないしどうしよう”とロビーに入ったら、ちょうど雪祭りの時期で観光客がごった返していた。そんな中に血まみれになってすごい形相になった自分が入って来たからお客さんは、みんなビックリしていた」

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最終更新:3/10(金) 16:46

スポーツ報知

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