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出荷向け水稲2500ヘクタール 原発事故前の4分の1 福島・被災周辺市町村

3/10(金) 7:01配信

日本農業新聞

 福島第1原子力発電所事故で被災した周辺12市町村で、出荷を目的にした米の作付けが、2016年産は約2500ヘクタールと、原発事故前の4分の1程度にとどまっている。再開の見通しが立たない地域もある。事故から6年を迎える中、被災地の農業再生は道半ばであることを浮き彫りにした形だ。

 原発事故に伴い避難指示区域に指定された市町村や、原発から20キロ圏内の市町村の米の作付け再開状況を、農水省がまとめた。12市町村で10年産米の作付面積は1万260ヘクタールあったが、11年3月の原発事故を受け、11年産は営農が困難な状況に陥った。

 16年産までに出荷目的の作付けが再開されたのは南相馬市と田村市、川内村、楢葉町、広野町。うち南相馬市は16年産で1781ヘクタールで最大だが、10年産比では36%にとどまる。田村市は316ヘクタールで同51%、川内村は191ヘクタールで67%、広野町は161ヘクタールで82%、楢葉町は19ヘクタールで5%だった。

 他の7町村では、16年産段階で作付け再開に向けた実証栽培が5町村の14ヘクタールで行われた。一方、立ち入りや居住が制限されるなどで、大熊町では実証栽培の前段階の試験栽培を8アールで実施するにとどまった他、双葉町では作付け再開への取り組みに依然入れていない。

 17年産の米の作付けでは、立ち入り制限で営農が不可能な区域は16年産と変わらず2146ヘクタールに上る。一方、栽培時の稲への放射性物質の吸収抑制対策や全袋検査などを行えば出荷できる区域は、16年産比7倍の3196ヘクタールに増える。福島県産米の安全検査では、3月8日時点で16産米1023万点以上を検査し、基準値を超える放射性物質の検出は1点もない。

 政府は周辺12市町村の農業者の設備投資などを原則上限1000万円で助成する事業を17年度も継続する方針で、「生産現場の意向を小まめに聞き、意欲ある生産者の営農再開を後押ししていく」(農水省)考えだ。

日本農業新聞

最終更新:3/10(金) 7:01
日本農業新聞