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今日から始めよう! 家族の防災【後編】生きるチカラが自分の命を守る

3/11(土) 14:02配信

ベネッセ 教育情報サイト

家族の防災について、危機管理アドバイザーの国崎信江先生にアドバイスをいただきました。

断インフラ生活を擬似体験しておこう

前編でも述べましたが、防災センターを訪れるなどして、ふだんから防災の経験値を上げておくことは大切です。東日本大震災の際、私は避難所でたくさんの子どもたちに接しました。その際、同じ被災状況でも私たちが提供する防災プログラムに意欲的に取り組む子どもと、無気力で参加しない子どもに分かれる傾向がありました。話を聞くと、意欲的な子どもは、キャンプなどで「不自由・不便な生活」を経験済みでした。そういう子どもは「天井と床があるだけまだいい」と、避難所のつらさを克服する「生きるチカラ」を備えていたのです。

キャンプ以外にも、災害への経験値を上げることができます。たとえば休日の半日、自宅を断水にしてみるのです。そうすると、カップ麺のように毎回水を使い切るものより、温めるだけで水が何回も使えるレトルト食品のほうが、防災グッズに向いていることがわかってきます。また、少量の水とガーゼで、体を衛生的に保つ工夫も身に付きます。断水だけでなく、断ガスや断電気も実践してみましょう。避難生活の擬似体験を重ねるうちに、我が家に適した防災グッズとその適量が把握できるようになるはずです。
そして何よりも育みたい、災害への「経験値」が上がります。インフラがないのは嫌だけれど、なくてもなんとかなる……。そんな「心の準備」を、家族で持っていたいものです。

待ち合わせ場所だけでなく時間を決めておこう

電話やインターネット環境といった通信インフラが使えなくなったときのことについても、事前に話し合っておきたいものです。家族が離れ離れのとき、どう連絡を取り合うのかがポイントです。

家族が離れた状態で災害が起きると、お互いの安否がどうしても気になります。それはもう、どうしようもないことです。しかし、ここはまず、自分の安全を確保してください。生きていないと、家族の心配をすることさえできないのですから。これは他の家族にも、常日頃から周知徹底するようにしましょう。
通学や通勤の途中で見知らぬ駅に降ろされたとしても、まずは自分の安全確保、です。通常、駅の近くには地図があり、そこに避難場所も明示されています。そういうことを家族みんなが知っていれば、「あの子はきっと駅で地図を見て避難所へ行ったに違いない」と、少しは安心できます。
さらには、「○○(名前)は△時にこの駅で降り、××(避難所)に向かいました」といったメモを駅員さんに渡しておくようにしましょう。駅員さんがいずれ乗客の安否情報を集約する際に効果を発揮し、家族の早期発見につながるかもしれません。それを信じて「自分を見つけやすくしておく」のです。

状況が落ち着いたら、事前に決めておいた待ち合わせ場所に向かいます。ただし、待ち合わせの時間まで決めておくことが大切です。私の家族の場合、待ち合わせ場所は避難所にもなっている自宅近くの学校です。そこのバスケットコートの下で、9時と15時の2回、各20分ずつ待つことにしています。ここまで決めておかないと、待つほうはいつまでも待ってしまうし、待たせているほうは「待たせてしまっている」と気が気でないからです。

――被災した場所が離れているため、9時20分までにはたどりつけない。でもうちの子は、20分を過ぎたら別の行動をとって安全を確保するはず。だから私は、15時に着けるよう、休みながら向かおう。あとは家族の生きるチカラを信じるだけ。そのための準備はしっかりとやってきた――

そう思えることが大切です。

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