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下克上の星。大東大→パナソニックの小山大輝がジャパン入りへの挑戦権つかむ

3/11(土) 14:52配信

ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン)

 最後の代表歴は19歳以下日本代表だ。故障などの事情で、20歳以下日本代表とは距離を置いてきた。もっともサントリーの流大主将は、帝京大時代からこの人に一目置いていたようだった。自分と同じSHで気になる存在は誰かと聞かれ、「大東大の小山君」と即答していた。

デベロップメントスコッドって何やるの? 日本代表ジョセフHC「いい兆し」

 小山大輝。アグレッシブな突破とタックルで魅せる、身長171センチ、体重70キロの22歳だ。大東大の上級生になってからは代表入りを熱望するようになり、埼玉県東松山市の寮で国際リーグのスーパーラグビーなどの試合をつぶさに観察。3年生だった2015年度は所属先の大学選手権4強入りを果たした。

 そして今春、日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ(HC)が発案したナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)の第1回キャンプに招集された。3月6日から10日まで、都内で汗を流した。

 ここではサンウルブズ(スーパーラグビーへ日本から参戦)の海外ツアー不参加組や若手の日本代表候補が、ナショナルチームに必要な戦術やスキルを改めて体得する。どういった経緯で呼ばれたかを「よくわからないんですけど…」とする小山だが、明確なアピールポイントを持つ。「まずは覚えることを覚えないと」と言いながら、こうも語る。

「ランを、見せたいですね」

 4月からはパナソニックへ進む。ジャパンのジャージィを着たいからだ。

 チームは元オーストラリア代表HCのロビー・ディーンズ監督をトップに据え、選手の海外挑戦実績も豊富。2012年に田中史朗と堀江翔太がニュージーランド(オタゴ)へ渡り、翌年度はスーパーラグビーでプレー。以後は田中が昨季まで在籍したハイランダーズなどに、多くの若手が短期留学をしている。小山も2019年のワールドカップ日本大会に向け、国内外で肥やしを得たいところだ。

 その序章として、2月はオーストラリアのブリスベンに渡った。10人制の国際大会である「ブリスベン・グローバルテンズ」に、一足早くパナソニックの一員として参戦。ワラターズ、レベルズといったスーパーラグビーのクラブから白星をもぎ取った。

 小山も「あそこは前が空いていた」と密集脇を切り裂き、味方のトライを演出。切れ味をアピールした。「(国内と世界では)フィジカルとスピードが違いすぎる。(そのレベルに)早く追いつきたい」と課題を口にしながら、充実ぶりをにじませた。

 今度のNDSの実戦練習では、昨季の日本代表で司令塔だった田村優とコンビを組んだ。「どんどん指示を出してくれて…勉強になります」。熟練者の声で攻撃の進め方がスムーズになったことに、感銘を受けたようだ。ひとつひとつの実感を、のちのパフォーマンスにつなげたい。

 まだ本格的に競技を始めていなかった芦別中時代、北海道ラグビースクール選抜のセレクションに合格。さらにラグビーを始めた芦別高でも、3年時に南北海道大会1回戦敗退ながら高校日本代表の座をつかんでいた。強豪校の選手を差し置いて、である。

 下克上の星は、いま、切れ長の目で世界を見据える。

(文:向風見也)