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JR東日本、無人駅にラウンジ「更級の月」設置 目的、内部、味は? 「四季島」以外も想定

3/11(土) 18:02配信

乗りものニュース

「四季島」乗客向け、しかし将来は

 1日平均の乗車人員が61人(2015年度)という山中の無人駅に、JR東日本が夜景ラウンジ「更級の月(さらしなのつき)」を設けます。

【写真】駅名の看板が「ちょっと変」な姨捨駅

 その場所は長野県千曲市、「姨捨山伝説」の地でもある篠ノ井線の姨捨(おばすて)駅です。同駅周辺は善光寺平(長野盆地)と棚田を一望できることから、古くより「日本三大車窓」のひとつに数えられています。特に夜景は、街の灯りがいわゆる「宝石をちりばめたよう」に眼下へ展開。それを楽しむための観光列車「ナイトビュー姨捨」は、「日本夜景遺産」に認定されるほどです。

 JR東日本は2017年5月1日(月)より、同社の“フラッグシップ”となるクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島(トランスイートしきしま)」の運行を始めるにあたって姨捨駅に注目し、その「日本三大車窓の夜景」を楽しむコースを設定。無人駅の同駅にこのたび、「四季島」乗客向けの夜景ラウンジ「更級の月」が設けられました。

 ただJR東日本長野支社によると、このラウンジは将来的に「四季島」乗客以外にも利用してもらうことを考えているといい、豪華クルーズトレインはハードルが高くとも、それ以外の形で「日本三大車窓の夜景ラウンジ」を楽しむことができそうです。

 夜景ラウンジの名称について、姨捨駅付近が平安のころから「名月の里」として知られていること、「更級」という古くからあるこの地の名前の響きを伝えたいという思いから、「更級の月」にしたとのこと。

 ちなみに姨捨駅は、全国でも数少ないスイッチバック方式の駅。停車する列車は、進行方向を変えながら駅を発着します。

「更級の月」その内部 「信州」といえば…?

 姨捨駅の夜景ラウンジ「更級の月」、ホーム・線路と平行になる形でカウンターテーブルが設けられており、飲食を楽しみながら正面に夜景を眺めることが可能。もちろん「トレインビュー」です。

 その内部は、とにかく「信州」であるのが大きな特徴。信州が「みそ」で知られることから「みそ蔵」をイメージしており、壁の下部には竹細工を装飾して、みそ蔵にあるみそ樽の「たが」を表現。「信州らしさ、姨捨らしさを意識した、蔵を感じさせる空間」がコンセプトといいます。

 この夜景ラウンジ「更級の月」建設にあたって、資材やデザイン、製作をできる限り信州エリアで行うことが考えられました。カウンターのテーブルは、姨捨駅のある長野県千曲市のヒノキ。加工業者も地元で、アクセントとして、千曲市の名産であるアンズの木を使い、姨捨駅舎の窓枠の形「亀」のモチーフが埋め込まれました。

 ハイチェア、ローテーブル、ソファは長野県飯綱町在住の木工芸家、松本啓直さんが製作。その多くに長野県産材の木材が用いられているほか、梁(はり)は、美しい木目と強さを併せ持っているという「信州カラマツ」を用いた「信州型接着重ね梁」です。長野県内に多く存在する直径が比較的細い木材の有効利用方法として、注目されている材料といいます。

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