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蓮舫代表「一方的に『この道しかない』と独りよがりの未来を押しつけられることに、多くの人々が不安を覚えている」

産経新聞 3/12(日) 16:21配信

 民進党の蓮舫代表は12日午後、東京都内のホテルで開かれた民進党の定期大会であいさつし、「民進党は国民の選択肢になる」と宣言した。「一方的に『この道しかない』と独りよがりの未来を押しつけられることに、多くの人々が不安を覚えている」と安倍晋三首相への批判も忘れなかった。

 詳報は以下の通り。



 「民進党代表の蓮舫です。まずは連合の神津会長、慶応大学の井出先生、NPO法人キッズドアの渡辺理事長、アイルランド大使、アン・バリントン閣下、すばらしいあいさつをありがとうございました。真っすぐで率直な言葉が本当に胸に響いた。われわれが担わなければいけない責務を改めて教えていただいた。お忙しい中、本当にありがとうございます。また本日の定期大会には、全国から多くの仲間が参集してくださった。昨年秋の代表就任以来、国会はもとより全国各地で私は皆さんに支えられて今にいたっている。改めて仲間にも心からお礼を申し上げる。ありがとうございます」

 「さて、民進党の第1回目の定期大会は、私たちがこれから1年間の活動をしっかり歩んでいくための思いを共有する大会にしたいと思う。今、私たちは大きな時代の転換期にいる。それは政治の転換期でもある。今から100年前の1918年、大正デモクラシーの大きな流れの中で、藩閥体制ではない本格的な最初の政党内閣が生まれた。その後、政党政治の発展とともに、国民の声に応えた普通選挙が実現され、かなり遅れてではあるが、女性にも参政権が付与された。民主主義の実現を求める先人たちの想像を超える努力のおかげで、今日、男でも女でも政治家を選択する自由というものが保障されるようになった」

 「こうして私たちの民主主義は、一歩一歩、前に進んできた。それでもまだ成熟はしていない。なぜならば、国民が国のあり方を、政策を、自分たちの未来を決めることができる二大政党制はいまだ未完成だからだ。時代の転換期にあり、将来が見通せない中で、一方的に『この道しかない』と独りよがりの未来を押しつけられることに、多くの人々が不安を覚えている。だからこそ、私たちは国民にもう一つの選択肢を示す政党であるということを堂々と、この1年、皆さんとともに国民に伝えていきたいと思う。私たち民進党は国民の選択肢になる、国民が選択する政策を示す、国民が選ぶ政治の形をしっかりと実現することができると、改めて今日は確認させてください」

 「1900年頃から100年かけて増えてきた日本の人口は、これから100年かけて、もとの水準へ戻っていく。かつて経験したことのない早い時間軸で進む人口減少、そして超高齢化の時代に向けて、私たちはどんな未来をつくっていくことができるのだろうか。次世代に残すのは負担や負債ではなく、夢や可能性だ。全ての子供の学びを保障する教育無償化、3・11を乗り越えるエネルギー改革、原発ゼロ社会の構築。私たちが掲げる未来には可能性を感じてほしいと強く願う。今後この国は厳しい現実と向き合うことから逃れることができないのであれば、厳しい現実を超えてなお未来を描ける、新たな可能性を感じることのできる未来予想図を、次の世代に手渡していきたいと考えている。それはしがらみのない民進党にしかできないとも強く確信している。教育やエネルギーなど国のあり方について、国民に夢と可能性のあるもう一つの選択肢をしっかりと示していくことが、私たちの掲げる『未来への責任』だ」

 「岡山県の真庭市に行った。市の8割が森林という地域特性を生かし、市はバイオマスタウン構想を官民一体で進め、2013年に建て替えた新市庁舎は真庭産の木材を使ったボイラーをつくり、1年中、昼も夜も、そして週末も快適さを維持することができ、電気料金はかつての3分の2まで安くなった。また、市や地元企業が出資して真庭バイオマス発電株式会社を設立し、市内の1万7000世帯を上回る2万2000世帯分の電力をつくり、23億円の収入が見込まれ、会社は黒字となっている。何よりそれまで処分費用がかかった木くずや間伐材が燃料として市民の収入となったこと。関連産業で雇用が生まれ、地元の電気会社に電気料が払われることで、地域のお金が地域内で循環する仕組みが生まれた。自然エネルギーを基点に、地方が豊かになる新しい経済システムが回り出した。こうしたシステムは今や各地で動き出しており、未来への夢と可能性は実際に広がり始めている。夢と可能性を形に。私たち民進党はすでに省エネ、再エネを加速化するための関連法案を国会に提出している。実現したい未来を国民に伝えていきたいと考えている」

 「私たちはいつも今を見つめ、新たな可能性を実現する政策集団だ。2012年に策定した革新的エネルギー・環境戦略から4年が経過した。この間の再エネ、省エネの進捗具合をリアルに見つめ、党内で何ができるかを精力的に議論、検討し、われわれは原発ゼロ基本法案を国会に提出することを確認した。新しい技術。国民の努力。このことによって、グリーンエネルギー革命は相当加速化されてきた。この加速に伴い、原発依存からの脱却が前倒しで実現可能となるよう、来る総選挙に向けて原発ゼロ基本法案を作成していく(まばらな拍手)。再稼働まっしぐら、原発依存へ逆戻りの現政権とは違う未来を私たち民進党は描いていこうではないか(拍手)。もちろん、エネルギーは国家の重要基本政策だ。国民生活、経済活動に与える影響、国際的なエネルギー情勢や国際社会との関係、使用済み核燃料の処理、それに関する自治体の理解と協力の状況なども真剣に検討していく」

 「東日本大震災から6年となった。今年3月31日に避難指示が解除される飯舘村の村長が言われたことが頭から離れない。『普通の災害であればゼロからのスタートです。でもわれわれはゼロへのスタートです』。この言葉に応える責任を、3・11を忘れずに、私たち民進党はしっかり果たすとぜひ言わせてください。省エネルギー、自然エネルギーが持つ夢と可能性を現実のものとするために、一日も早く原発ゼロ目標を実現するための原発ゼロ基本法案を国会に提出してまいる」

 「もう一つ。私たちは政権時代、高校の実質無償化を実現し、その第一歩を踏み出し始めたが、最近さまざまな教育無償化をめぐる議論が起きていて、一部にはそのために憲法を改正しようとする主張もある。しかし、教育無償化を実現するための最大の課題は財源であることは明らかであり、憲法改正が必要だとの主張は、これをごまかすかのように思う。私たちはこの問題にも正面から取り組んでいきたいと思う。子供たちに奨学金という名前の借金を負わせ、返済負担が重く、結婚さえできない未来を『自己責任』と言い放つのではなくて、支える。子供たちが納税者として社会を担う一員となるために必要な財源は最大で5兆円程度だ。その第一歩として、これも党内の活発な議論を経て、消費税を8%から10%に引き上げる際、その1%に当たる3兆円弱を活用することに加え、所得税、住民税の配偶者控除廃止、相続税、贈与税の引き上げなどにより、十分な財源を確保したいと考えている。これを前提に、教育無償化に向けた具体的な工程を法律案という姿で皆さんにお示ししたいと思う。『今日のお昼は100円』『大学生に会ったことがない』。次の世代にこんな切ない選択肢を残す未来は政治ではない。私たちは次の世代に教育無償化を通じて可能性を残す政治を確かに実現していきたいと、改めて宣言させてください」

 「また、人口減少社会における持続可能な社会保障制度はどうあるべきか。日本版ベーシックインカムの税制と合わせ、党内で議論を進めている。教育とエネルギー、社会保障制度と税制改革。次世代に可能性を残す政策はどうあるべきか。私たちはいつも今を見つめ、新たな可能性を実現する政策集団だということを、この1年間、仲間の皆さん、日本各地で堂々と声を高らかに訴えていただきたいと改めてお願いする」

 「働き方改革。残念ながら、この前向きな響きとは裏腹に、政府は長時間労働を助長するような法案を出している。政府とは違い、われわれは働く人々が自らを必要とされていることが実感できる環境、ワークライフバランスを整える政策実現を目指している。中でも男女が置かれた労働環境格差の是正を進めたい。世界経済フォーラムが公表したジェンダーギャップ指数、調査対象145カ国のうちアイルランドは6位。うらやましい限りだ。日本は過去最低で111位だ。輝く女性が聞いてあきれる残念すぎる現実だ。その背景には就職、結婚、出産など、人生のさまざまな場面で女性が一方的に何かを諦めることが求められる慣習がある。常に女性が選択のリスクを負う慣習もある。この根強い慣習を一掃する新たな仕組みを作らない限り、真の男女共同参画社会は成し遂げることができない。男女平等の働き方を実現するために、法律で適正な残業時間の上限を定めることにより、長時間労働の解消、育休手当100%支給による男性の子育て参加の促進、選択的夫婦別姓の実現に取り組む」

 「あわせて政界で活躍する女性を増やし、世の中の仕組みを女性視点からつくることも重要だ。政治における男女共同参画を進めるため、国政選挙において男女クオータ制の導入を可能とする公選法改正の実現に全力もあげていく。関連して申し上げる。各級選挙における候補者の男女均等を目標とする、政治分野における男女共同参画社会推進法案の成立が見通せることになったことを踏まえ、民進党として選挙対策委員会および男女共同参画推進本部には、女性候補者の発掘を改めて強くお願い申し上げる。推進本部役員は2年後の統一自治体選挙で女性候補者倍増を目指してください。それと同時に国政選挙においても積極的に女性候補者を発掘してください。今言った委員に入っていないからいいということではなく、全ての国会議員にその努力をお願いする。それが私たちの目指す社会をつくる原動力になるということも付け加えさせてください」

 「次期総選挙に向けては二大政党の一翼を目指す民進党として、過半数の候補者擁立も絶対条件だ。すでに各都道府県連においてご努力いただいているが、さらなるご努力をお願いする。来る総選挙はわが党にとってまさに正念場だ。極めて厳しい強い危機感を持って臨みたいと思う」

 「私は政治家になると決めたとき、迷わず当時の民主党を選んだ。国民の選択肢になりたいと思った。選べる政党をつくりたいと思った。民主党の先輩、仲間に育ててもらって、今は民進党の仲間と新たな後輩、先輩に支えてもらっている。民進党は私の政治人生においての全てだ。だからこそ私は、今の仲間の皆さんとともに、何としてでも二大政党の実現を目指したいと思っている。先ほど井出先生が『このようなみすぼらしい社会を子供たちを残せない』と言った。全く同じ思いだ。私の政治人生全てをかけて、この民進党で共生社会を、分け与えることができる社会を、しっかりと政権交代で実現していきたいと、改めて皆さんと思いを共有させてください」

 「まずは東京都議選だ。都議選は地方選挙ではあるが、国政選挙に影響のある選挙だ。都議選の勝利、国政選挙の勝利が、結果として各地の選挙につながり、選挙の勝利につながる。東京以外の皆さんには大変申し訳ないが、全国各地からの支援を要請する。7月2日の都議選に向けて、まさに今日この瞬間から党全体で活動を始めたいと思う。重ねてで恐縮ではあるが、皆さまのご協力を心よりお願い申し上げる」

 「『一人で見る夢は夢ではない。しかし誰かと見る夢は現実だ』。オノ・ヨーコさんの言葉だ。一人で見る夢は夢でしかない。しかし、誰かと見る夢は現実だ。私は民進党の皆さんと一緒に見ている夢を、確かな現実なものにかえていきたいと強くこの場でお訴えさせていただく。教育無償化で子供たちに未来を、原発ゼロ社会で新しいエネルギーの未来を、社会保障制度改革の未来をつくることによって日本の未来をつくっていくのは民進党だということを改めてお訴え申し上げ、何が何でも二大政党、その実現に向けて全力をかけていきたい。そのためにこれからの1年間、来るべき総選挙に向けても、ここにお集まりいただいた皆様方の力をしっかりいただいて、党一丸となって私たちの未来を現実、実現可能なものに変えていきたいと改めてお願いを申し上げ、私からのあいさつと変えさせていただく。本日はありがとうございました」

最終更新:3/12(日) 17:33

産経新聞

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