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日本は世界一「妊娠できない不妊治療」が行われている!?

3/12(日) 20:20配信

投信1

「日本は世界で最も妊娠できない不妊治療が行われている国」──医療先進国・日本の衝撃的な事実を突きつけた1冊の本があります。

『不妊治療を考えたら読む本 科学でわかる「妊娠への近道」 (ブルーバックス)』(講談社・2016年刊)

生殖医療専門医である浅田義正氏と出産ジャーナリストの河合蘭氏の共著による本書は、不妊治療大国・日本の現状から、妊娠のしくみ、そして実際の不妊治療がどのようなものなのかを端的かつ丁寧に紹介しています。

日本では、不妊治療どころか性に関する話題自体がなにかとタブー視されがちですが、そんなことも言っていられない事態に陥っているのです。

3組に1組が不妊の心配を抱えている

国立社会保障・人口問題研究所によると、不妊を心配したことのある夫婦は3組に1組を超え、子どものいない夫婦では55.2%にのぼります。さらに結婚歴15~19年の夫婦の15.6%(6組に1組)が検査や治療を経験。これらの割合はいずれも上昇傾向にあります注1
。不妊治療の中でも、体外受精、顕微授精、凍結融解胚移植といったより高度な技術を用いる治療を「生殖補助医療/ART:Assisted Reproductive Technology(アート)」注2・3
と呼びます。本書でも日本産婦人科学会のARTデータブック注3
に基づき、そのARTの実施件数の推移が示されていますが、その数は1990年代前半が2万件弱だったのに対し、現在は30万件を超えています。また、同データブックの最新データでは、2014年に生殖補助医療によって生まれた子どもの数は4万7,322人に達しています。厚労省の平成26年 <2014> 人口動態統計より、同年の出生数は100万3,539人であることから、約21人に1人が生殖補助医療で出生していることになります。

こうした背景に晩婚化があることは言うまでもありませんが、日本のように女性の平均初産年齢が30歳を超える国は、先進国の中でも数えるほどしかないのです。近年は「妊娠力」や「卵子の老化」という言葉を聞く機会も増え、女性側の年齢の壁は意識されるようになってきました。

女性に比べればゆっくりですが、男性でも35歳ごろから徐々に精子の質の低下が起こります。しかし男性の場合は不妊に対する心配があったとしても、精液検査に対する抵抗感からなかなか病院に足が向かないという人も少なくないのではないでしょうか。

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最終更新:3/12(日) 21:10
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