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ドローンが陸海空を支配? 米DARPAが進めるプロジェクトとは

3/12(日) 7:30配信

乗りものニュース

無人の対潜ドローン水上艦が海をゆく

「ドローン」といえば空中を飛行する小型航空機のイメージが強いかもしれませんが、無人で航行する船舶や潜水艦に対してもこの呼称を用いることがあります。そのひとつ、アメリカのDARPA(国防高等研究計画局)が開発をすすめるACTUV(対潜ドローン水上艦)のプロジェクトは注目に値することでしょう。

【写真】10日間の滞空を目指す「THE VA001」

 ASW(対潜艦)の一種に相当するACTUVは無人で数か月間も航行し、潜水艦の追跡ミッションにあたります。ACTUVのプロトタイプとして建造された「Sea Hunter」は全長が約40メートルで、30日から90日ものあいだ一度も寄港することなく航行が可能です。

 このような無人の軍艦は搭乗員が危険に晒されないだけでなく、コストが安いというメリットがあります。従来の大型の軍艦は建造に数年を要し、またその建造コストや運用コストも膨大です。しかし有人の軍艦と無人のACTUVを組み合わせて運用することで、運用費用の削減が可能になるとみられています。DARPAの試算によれば、ACTUVは有人の対潜艦に比べて10分の1程度の費用で運用できるそうです。

「Sea Hunter」は2016年4月7日にオレゴン州ポートランドにて進水し、同年10月にはレーダーを搭載したパラシュートによる哨戒システム「TALONS」の展開に成功。そして11月には無人での複数拠点を指定した航行ミッションに成功するなど、順調に開発が進められています。

船舶からトラックまで搭載可? ドローンの射出、回収システム

 DARPAはドローンをより効率的に運用するシステムも開発しています。たとえば高速で飛行する軍事用ドローン(UAV)を、人が操縦し安全かつ確実に着陸させる難易度は高めですが、そんな時に役立つことが期待されるのが「SideArm」です。

「SideArm」は金属製のクレーンにレールがぶら下げられたような構造になっており、レール部分にぶら下げたドローンの打ち出しが可能です。さらにドローンが帰着した場合には、手前に設置されたワイヤーと奥に設置されたキャッチャーでドローンを一気に減速、高速で飛行するドローンを確実に捕獲します。

 DARPAはこのシステムをコンテナ内に搭載し、車両や船舶、鉄道、輸送機やヘリコプターでの運用を目指しています。そうすることで、ドローンを水平に打ち出すことが難しい地点、あるいは着陸させるのに十分な敷地がない拠点でも、軍事用のドローンの運用を可能にしようとしているのです。

 その紹介動画では、軍艦のヘリポートの片隅に設置した「SideArm」から軍事用ドローンを発進させたり、着艦させたりするイメージが公開されています。今後はイージス艦などでも、ドローンを用いた柔軟な作戦が可能になるかもしれません。

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