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クリエイティブツーリズムって? クリエイティブの拠点となるリノベーションホテル/沖縄

3/12(日) 22:31配信

Webマガジン コロカル

コロカルニュースvol.2022

■石垣島がめざすクリエイティブツーリズムとは?

「クリエイティブツーリズム」という言葉をご存知ですか? アート資源やクリエイターによる活動などに着目し、訪れた人に土地の新たな魅力を体験してもらおうという動きが各地で活発化しています。2017年1月14日に石垣市で開催された文化観光シンポジウム『島の文化と魅力の創出』でも、そんなクリエイティブツーリズムについての論議が交わされました。

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クリエイティブシティー(創造都市)のコンセプトを日本に初めて持ち込んだ、文化庁文化芸術創造都市室長の佐々木雅幸さんは、「近年は製造業で雇用が生まれる時代ではないので、小さいけれどクリエイティブな仕事を増やしていくことが大事です。そして新しいクリエイティブは決して中心の都市だけから生まれるわけではありません」と話します。

さらに世界的な建築家で、この島の新しい市役所を設計する隈研吾さんは、地方都市の魅力についてこう話をつなげます。「中心でなく周縁。大都市に毒されない場所が世界的におもしろい。イギリスのスコットランドでは先住人のケルトの文化とつながっていて、ロンドンとは違った文化が盛り上がっています。20世紀は都市中心だったが、いまは地方がおもしろくなるという競争が始まっています」

佐々木さんによると、アメリカのサンタフェで、クリエイティブシティーの新しい取り組みとして、世界に先駆けてクリエイティブツーリズムが提唱されたそう。

「クリエイティブツーリズムは、地域の歴史・文化・芸術への理解を深め、体験することで地元との一体感を持つことを重視する観光のあり方。それによって地方都市にも大きなアートマーケットが生まれました。アーティスト、クリエイター、ツーリストをつなぐものが必要になってきます」

また、文化政策分野の中間支援を各地で行う一般社団法人クリエイティブクラスター代表の岡田智博さんは、「クリエイターを集めて、どのように情報発信するのかが重要。石垣市は、積極的にクリエイターの橋渡しを行って、いままで島になかったデザインなどの新しいタイプの仕事をつくろうと進めています」と話しました。

いまから2020年の東京オリンピック、パラリンピックに向けて、クリエイティブツーリズムの地盤づくりを、行政や民間含めて前進させていることが、今回のシンポジウムのディスカッションでわかりました。


■石垣島のクリエイティブの拠点

石垣市のクリエイティブな活動については、以前コロカルでも〈石垣島クリエイティブフラッグ〉の取り組みを紹介しました。これは2013年より石垣市が主催し、島のデザイナーやイラストレーターなどのクリエイターをつなぎ、クリエイティブの力で島を盛り上げようというもの。

一般社団法人〈石垣島クリエイティブフラッグ〉の西村亮一さんと石垣市観光文化スポーツ局観光文化課の宮良賢哉さんに、その後の動きを聞いてみると、新たな拠点について話してくれました。

「市内にギャラリーをつくろうと思いましたが、適当な空き物件がなかなか見つからず、進められなかったんです。だったらと、ちょうど西村さんが立ち上げに関わっていたリノベーションホテルのラウンジを、アートスペースとしても使えないかと提案したところ、ホテル側のコンセプトとも合致したこともあり、一緒に進めることになりました。おかげで地元の人だけでなく、観光客も石垣島のクリエイターの作品に触れられるようになりました」(宮良さん)

それが、市街地に建つ〈ホテルエメラルドアイル石垣島〉。京都のアート&カルチャーを発信する〈ホテルアンテルーム京都〉を手がけた〈UDS〉が、築30年のホテルをリノベーションしたホテルです。

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