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メキシコ―米国境にトンネル224本 麻薬密輸・不法入国に利用

産経新聞 3/13(月) 7:55配信

 ■「トランプの壁」効果は?

 【ロサンゼルス=中村将】中米メキシコから米国に向けて掘られたトンネルが1990年から2016年3月までに計224本見つかっていることが米麻薬取締局(DEA)の調査で分かった。トランプ米大統領は国境に壁を建設し、麻薬組織や犯罪組織のメンバーの不法入国を食い止めようとしているが、壁の効果は未知数といえそうだ。

 DEAによると、見つかったトンネルの8割以上の185本が米国まで到達していた。メキシコ国境と接しているのはカリフォルニア、アリゾナ、ニューメキシコ、テキサスの4州だが、大半はアリゾナ州で見つかっているという。

 AP通信によると、カリフォルニア州サンディエゴで09年に見つかった麻薬密輸トンネルは深さ約21メートル、幅約90センチ、長さ約824メートル。輸送用の貨車の線路が敷設され、照明や換気システムも装備されていた。

 麻薬密輸の罪に問われ、サンディエゴ地裁で今月3日に判決を受けたメキシコ最大級の麻薬組織「シナロア・カルテル」のメンバーの男(72)は1993年に国境の下に最初の大規模なトンネルを掘削したことで知られ、「エンジニア」の異名を持つ。

 トンネルは長さ約432メートルで、男はカリフォルニア州側の出口のそばに倉庫を確保。メキシコ側からトンネルを使ってコカインなどを運びこみ、米各都市への配送拠点としていた。

 トンネルが摘発されたのはシナロア・カルテルの元最高幹部、ホアキン・グスマン被告(59)が逮捕され、潜伏場所からトンネルの位置を示す地図が見つかったためだ。

 グスマン被告は2度にわたって、メキシコの刑務所から脱獄したが、そのうち1回は刑務所の下に掘られた約1・5キロのトンネルをオートバイで走り抜けて逃走。昨年捕まり、米国に移送されて裁判をひかえているが、麻薬組織にトンネル掘削技術があることを改めて示した。

 壁を建設してもトンネルを使用した麻薬の密輸は続くとの予想があるほか、トンネル掘削などの把握が今まで以上に難しくなるとの指摘も出ている。

最終更新:3/13(月) 10:33

産経新聞

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