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「時間治療」に新時代? 各人の体内時計読む血液検査開発

3/13(月) 9:30配信

The Telegraph

【記者:Sarah Knapton】
「時間治療」の新時代の幕開けかもしれない──研究者らがこのたび、一人一人の体内時刻を読む方法を発見した。

 数年前から、多くの薬は1日のうちある特定の時刻に服用すればより高い効果を発揮することが分かってきている。これは、どの遺伝子がどの時間帯にオンになり、またオフになるかに左右される。

 例えば、肝臓と腎臓の活動は午後6時以降に最も活発になるため、これらの臓器に関わる症状なら夕方に対処するのが理にかなう。

 心臓は逆に朝が最も活発で、肺は生体上、正午ごろに最も活発になるよう設定されている。

 とはいえ正午になったからといって、あらゆる人の体内時計も昼の12時を指すとは限らない。睡眠障害や時差ぼけなどの一時的な変化でさえ、生物として体に備わっている時間管理に大混乱を来す。

 米テネシー(Tennessee)州ナッシュビル(Nashville)のバンダービルト大学(Vanderbilt University)医学部の研究チームは、15の「時計遺伝子」の活動をモニタリングすることによって、体内時刻を調べる血液検査を開発した。

 同大のジェイク・ヒューイー(Jake Hughey)博士は、「われわれの研究は、個人の体内時刻を概算する方法を説明している。ゆくゆくは、概日リズムや睡眠に関わる障害の診断とモニタリングの一助となり、オーダーメード医療に生かしていけるかもしれない」と期待を示し、「平たく言えば、その人の体内時計が正常時に比べて早まっているのか遅れているのか、または弱まっているのかを検知する方法になり得る」と話している。

 ヒューイー氏は、最も効果的な服薬のタイミングを計っていくため、今後数年間のうちに、時間治療が確実に成果を上げる時を見極めていく体系的な取り組みが行われるとみている。

 体内時計によってもたらされるリズムは、どの時間帯においても人によって大きく異なり、シフト制や日光を浴びる時間の減少など、今日的な環境が原因で乱れることもよくある。また体内時計の機能不全には、がんやうつ、肥満といった病気との関連性もある。

 遺伝子が不活発な誤ったタイミングで服薬すると効き目がなくなることもあれば、朝の服用による臨床試験が行われた薬が、実際は朝に逆効果をもたらす恐れもある。

 今回の新しい血液検査は、24時間中さまざまな時間帯に60人から採取した約500の血液サンプルを対象に、どの遺伝子がいつ活発になるかを研究して開発された。

 この研究論文は、オープンアクセス誌ゲノム・メディシン(Genome Medicine)に掲載された。【翻訳編集】AFPBB News

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最終更新:3/13(月) 9:30
The Telegraph