ここから本文です

【インディカー】開幕戦:ブルデー最後尾スタートから逆転優勝。佐藤琢磨悔しすぎる5位

3/13(月) 4:02配信

motorsport.com 日本版

 インディカーシリーズ開幕戦がアメリカ・セントピーターズバーグで行われ、最後尾グリッドからスタートしたセバスチャン・ブルデー(デイル・コイン)が優勝。佐藤琢磨(アンドレッティ)は悔しすぎる5位に終わった。

【インディカー】開幕戦最終順位:セントピーターズパーク

 ついに開幕戦を迎えた2017年のインディカー。開幕戦の舞台はセントピーターズバーグの市街地。このコースを110周して争われた。

 ポールポジションはウィル・パワー(ペンスキー)。このコースで通算7回目のポールポジションである。佐藤琢磨も5番手という絶好のスタート位置となった。

 パワーが無難なスタートを決めると、佐藤琢磨は1台をパスし、4番手に浮上。しかしその直後、隊列後方ではアクシデントが多発。グラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン)がチャーリー・キンボール(チップガナッシ)に接触され、ターン3手前でストップ。キンボールはそのまま走行を続けたが、右フロントのサスペンションを壊しており、カルロス・ムニョス(A.J.フォイト)を巻き添えにしてウォールにクラッシュした。アンドレッティのライアン・ハンター-レイは、マシントラブルが発生し、スタートできなかった。

 これらの事故により、レースはいきなりフルコースイエローコーション(FCY)。このコーション中にハンター-レイはレースに加わった。

 6周目からレースが再開。このタイミングでトップに躍り出たのが、ジェームス・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン)。ヒンチクリフはトップに立つと、2番手のパワーを徐々に引き離し、ひとり旅の状態になっていく。3番手にはスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)、佐藤琢磨は4番手キープだ。

 14周終了時点で、2番手を走っていたパワーがピットインする。今回のレースは燃料フルタンクで30周走ることができると計算されており、3ストップが原則。しかし、1スティントで最低20周を走らなければこの原則は通用しないため、14周というパワーのピットインのタイミングはあまりにも早すぎ、燃料をかなりセーブして走れなければ、フィニッシュまでに他のマシンより1回多いピットインを強いられることになる。そればかりか、パワーはピットアウト時にタイヤ交換用のインパクトレンチを踏んでしまい、ドライブスルーペナルティを課せられてしまう……彼はこれで大きく後方に下がってしまうことになった。

 24周目、ピットアウトした直後のトニー・カナーン(チップガナッシ)がミカエル・アレシン(シュミット・ピーターソン)と接触。ふたりのマシンの破片がコースに散乱する。これでこのレース2回目のFCYが出される。

 すでに数台のマシンが最初のピットインをこなしていたが、上位勢はまだピットインしておらず、このFCYでピットイン。ヒンチクリフは結局10番手に、佐藤琢磨は12番手に落ちてしまった。逆にパワーにとっては救いのFCYで、6番手まで復活してきた。

 31周目からレースはリスタート。佐藤琢磨が絶好の再スタートを決め、ディクソン、ヒンチクリフらを交わして一気に7番手まで浮上する。

 FCY終了時にトップに立ったのは、昨年チャンピオンのシモン・パジェノー(チップ・ガナッシ)。しかし、後方からはセバスチャン・ブルデー(デイル・コイン)が迫ってくる。そして37周目、ブルデーはパジェノーを抜き、首位に浮上。トップに立ったブルデーは、パジェノーを一気に引き離していく。ブルデーは最後尾スタートからの奪首である。

 47周目終了時点でパワーが、48周目終了時点でディクソンがピットイン。両者ともまだ60周以上の距離を残しており、あと1ストップでレースを走りきれるかどうかは、微妙な状況である。

 先頭のブルデーとパジェノーは55周目にピットイン。これで佐藤琢磨が首位に浮上する。佐藤琢磨は自己ベストを更新しながら、周回をこなしていく。

 琢磨がピットインしたのは57周目終了時点。完璧なピットインをこなし、ブルデー、パジェノー、パワーに次ぐ4番手でコースに復帰した。

 先頭のブルデーは好ペースを連発して、2番手以下を引き離し、勝利に向けてひた走って行く。燃料をセーブしたいパワーはペースを上げることができず、後方に佐藤琢磨が徐々に近づいてくる。

 77周を走りきったところで、パワーがピットイン。やはりこのタイミングでは、チェッカーまで走りきれるかどうか、ギリギリというところ。佐藤琢磨はこれで前が開けて一気にペースアップ。ただひとり1分2秒台を並べ、上位2台との差を縮めていく。

 80周目を過ぎると、各車続々とピットイン。これが最後のピットインである。先頭のブルデーは82周目終了時点でピットイン。佐藤琢磨もこのタイミングでピットに入るが、右フロントタイヤの交換に手間取り、大きくタイムロス。ディクソンに抜かれて5番手に落ちてしまう。

 91周目、パワーは大きくペースダウンし、ディクソン、佐藤琢磨がこれを交わしていく。パワーはペースがまったく上がらず、後続のマシンにどんどん抜かれていく。

 結局、ブルデーのペースは終始衰えることはなく、パジェノーを8.3秒引き離しトップチェッカー。なんと最後尾スタートから、絶好のタイミングでのFCYを活かし、その後は完璧な走りで110周を走破。見事優勝を果たした。2位にはパジェノー、3位にはディクソンが入り、4位には最終ラップで佐藤琢磨を交わしたハンター-レイが入った。佐藤琢磨はFCYの不運、ピットでのタイヤ交換トラブルなどに見舞われた、悔しすぎる5位となった。

Kenichi Tanaka