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川勝平太・静岡県知事に聞く(全文1)日本の人口停滞は平和な時代に起こる

3/21(火) 12:59配信

THE PAGE

 人口減少期に入った日本。推計では2060年には、現在の約3割の人口を失い、総人口9000万人を割り込むと考えられています(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」)。

人口減少時代

 過去に経験のない規模と速さで進む人口減少を、各自治体の首長はどのようにとらえ、どのようなビジョンで舵取りしていくのか ── 。県内の人口減少対策で有識者会議をつくり、長期ビジョンを策定した静岡県の川勝平太知事に話を伺いました。(2017年3月取材)

日本の人口は平和な時代に停滞する

── きょうはよろしくお願いします。

お願いします。

── 日本が人口減少に入ったということで、まずは、静岡県の人口減少をどのように捉えているか教えてください。

そうですね、これは日本の人口減少と無縁ではありませんから、その一つの静岡県における現象ということ、日本の人口減少として捉えております。

── 静岡県ならではの側面で考えている部分は。

それはもちろんあります。そのために、現状分析をしなくちゃいけないわけですね。しかし、冒頭で申しましたように、人口減少というのは、日本全体で起こっているわけでしょう。そして、興味深いことがあるわけです。それは、鬼頭宏さんの本にもありますけれど、平安時代と江戸時代に人口が、減少はしていませんけれども、停滞しているわけですね。

どんな時代でしょうか。それは平和な時代なんですよ。それは彼は言っていないんです。弥生、それから奈良時代に入って、そして平安は、平和の時代なんですよ。平将門が東京に出たり、瀬戸内海に藤原純友が出て、そういう内乱がおさまりますと、清少納言だとか、源氏物語とか書かれる時代になりまして、源平の合戦が起こるのは、だいぶん後ですね。ですから、平安時代は平和の時代です。

それから徳川時代。江戸時代当初は、戦乱の時代から徳川に代わるわけですけれども、まだ、大坂冬の陣・夏の陣がありまして、それから島原の乱とかがあって、あと乱というほどのはないでしょう。赤穂浪士の討ち入りぐらいですよね。これはもう内乱というには余りにも小さなもので、徳川天下泰平なんです。天下泰平、すなわち平和な時代には、人口が停滞する、これが日本の人口動態の中で見られるわけですよ。そして平和な時代を喜ぶのは誰でしょうか。女性です。女性は、争いを好まないですよね。命を大切にする存在です。

ですから、女性が活躍するんです。女性の活躍の場ができるわけです。そういうわけで、蜻蛉日記だとか、更級日記だとか、そうした類いを書いて、それが日本の文学の頂点の一つを形づくっているわけでしょう。そして、江戸時代になりますと、武士の鑑として吉良上野介を討ったにもかかわらず全員切腹でしょう。だから、主君のかたき討ちをしてもお家の再興もならない。じゃあ、だめだということで、同じ年に、曽根崎心中、心中というのがはやり出すんですよ。心中って誰がやるんでしょうか。男女共同参画です。これは余りいい共同参画じゃありません。けれども、その道行を聞いていかれると、なかなか涙なしには聞けない、死ぬ以外に2人の幸せはない。大体、手を引っ張っているのは女性ですね。

【メモ】
・鬼頭宏氏……歴史人口学が専門。静岡県の「人口減少問題に関する有識者会議」座長を務めた。現在静岡県立大学長

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最終更新:3/26(日) 5:49
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