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多額損失の元凶。どうなるウェスチングハウス、東芝への影響は?

3/15(水) 8:00配信

THE PAGE

 米国の原子力事業で多額の損失を抱える東芝が、元凶となっている買収した米国の原子力企業ウェスチングハウス(WH)について、事業からの撤退を進める方針を明らかにしました。具体的には、米連邦破産法11条(いわゆるチャプターイレブン)の申請などが検討されています。チャプターイレブンとは何を意味しているのでしょうか。また、東芝本体への影響はどうなるのでしょうか。

 チャプターイレブンとは、日本の民事再生法に相当するもので、経営に行き詰まった会社に対して、新しいスポンサーを見つけて経営を再建するための手法です。破産法という名称ですが、会社の資産をすべて処分し、債権者に分配した上で会社を清算して消滅させる、いわゆる「破産」とは意味合いが異なります。あくまで会社や事業が存続することが大前提ということになります。

 チャプターイレブンが申請されれば、WHの負債が確定し、それ以上の損失拡大を回避できますから、東芝はWHが抱えるリスクから切り離されることになります。実際に申請された場合、3000億円程度の追加損失で済むという試算も出ているようです。

 またWHの新しいスポンサーとしては、韓国電力公社の名前があがっています。麻生太郎財務大臣は10日の記者会見で「(チャプターイレブンの申請が)31日までに決まらないと、東芝も決算を出しにくいのではないか」と述べ、政府としても後押しする姿勢を示しました。

 ただ、実際にスムーズに申請が進むのかはまだ分かりません。東芝は米国の原発建設に関連してWHに約8000億円の債務保証を行っており、もしWHから撤退することになった場合には、原発の発注元に対して違約金を支払う必要があります。

 しかも、WHの事業には米国政府も83億ドル(約9500億円)の債務保証を行っており、チャプターイレブンが申請された場合には、米国政府にも負担が発生することになります。一部では米国政府はこのスキームに難色を示しているとの報道もあるようです。

 追加損失が発生するにせよ、これ以上の損失拡大を防げるという点では、もし実現すれば、東芝にとってはプラスの出来事と考えられます。

 ただ、リスクのある事業に対して安易に8000億円もの債務保証を行っていたというのは、やはり尋常な状況ではありません。このような形になった経緯などについて、しっかりと外部に説明しなければ、東芝の今後の事業継続に対して、市場の信任は得られないでしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:3/19(日) 5:45
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