ここから本文です

アルゼンチン帰りの「赤い丸ノ内線」500形、道路を走り本格修繕へ 3パターンに復元

3/14(火) 7:30配信

乗りものニュース

丸ノ内線500形、アルゼンチンから戻ったときは大変な姿で

 アルゼンチンからはるばる帰ってきた帝都高速度交通営団(営団地下鉄。現・東京メトロ)丸ノ内線の「赤い電車」500形。まもなくその動態保存(動く状態での保存)に向け、本格的な修繕が始まります。

【写真】落書きで大変な姿になった元・丸ノ内線500形

 1957(昭和32)年から製造された、赤い車体と側面のサインカーブが特徴の500形電車は、一部の車両が丸ノ内線での役目を終えたのち、アルゼンチンのブエノスアイレスで「第二の人生」を送っていました。

 その南米で20年以上も走り続けた元・丸ノ内線の500形電車が2016年7月、日本へ帰り、横浜港から中野車両基地(東京都中野区)へ陸送ののち、動態保存に向けた作業が行われてきました。

 アルゼンチンから戻った当初、その車体には多くの落書きがありましたが、2017年3月12日(日)に中野車両基地で見た車両はそれらが消され、「往時の丸ノ内線」に近づいていました。

 そしてまもなく、500形は新木場車両基地(東京都江東区)へ陸送され、本格的な修繕がスタート。そして日本の地下鉄が開業90周年を迎える2017年12月に、「往時の丸ノ内線」が姿をあらわす予定です。ただ、新木場へ運ぶのは車体のみで、足回りなどは中野でメンテナンスが行われます。

3両それぞれ異なる姿に「復元」 イベントで活用へ

 アルゼンチンから日本へ帰ってきた元・丸ノ内線の500形電車ですが、東京メトロの担当者によると、一応走れる状態で戻ってきたため、走行系の部分は比較的状態がいいものの、車体については腐食が激しく、修繕が容易ではない部分もあるそうです。実際に見たところ、車体の“すそ”が一部、腐食でボコボコになっていました。

 なお500形は4両がアルゼンチンから戻りましたが、新木場へ送られ整備されるのは3両です。1両は部品取りなどを想定した予備車両とのこと。

 また整備される3両は、それぞれ異なる姿に“復元”されます。1両は登場当時の、1両は「B修」と呼ばれる車体更新後の、そして1両はアルゼンチン時代の姿です。

 東京メトロはこの500形動態保存について「鉄道技術発展に貢献した車両として保存することにより、教育の充実を図るとともに、各種イベントで活用していく予定」としており、具体的な活用方法について担当者は今後検討していくといいます。再び丸ノ内線の「本線」を走ることを期待したいところですけれども、現実的には保安装置が現在とは異なるなどの理由から、不可能ではないものの、難しいかもしれません。

 車両基地での公開も、丸ノ内線は車両へ電気を供給する設備が地上にあるため、安全を考えると簡単ではない部分もありますが、はるばるアルゼンチンから帰ってきた電車にどんな形で再び出会えるか、「地下鉄90周年」の2017年12月を楽しみにしたいところです。

恵 知仁(鉄道ライター)