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2015年度 鳥獣被害176億円 過去最低も依然高水準

3/15(水) 7:01配信

日本農業新聞

 農水省は14日、2015年度の全国の野生鳥獣による農作物被害について、被害金額は前年度より8%少ない176億円だったと発表した。1999年度の調査開始以来最低の水準。国の補助金を活用した電気柵の設置など、産地で被害防止対策が進んできたためとみられる。だが、依然高水準にあることに変わりはなく、今後も対策への支援が欠かせない。

 都道府県からの報告を基にまとめた。被害面積は8万1000ヘクタール(300ヘクタール減)だった。野生鳥獣の餌となるドングリが、2015年は豊作で里山に下りてくる数が少なかったことも、被害の減少につながったとみられる。

 被害金額を野生鳥獣の種類別に見ると、最も多い鹿が60億円(9%減)、次いで多いイノシシが51億円(6%減)、猿が11億円(16%減)で軒並み減った。同省は「国の支援の成果が出てきた」(鳥獣対策室)とみる。

 同省は「鳥獣被害防止総合対策交付金」を措置し、市町村に対して、野生鳥獣の捕獲、電気柵の設置、緩衝帯の設置などの被害防止対策に補助を出してきた。このうち、同交付金を活用して設置した電気柵を含む侵入防止柵の距離は、08年度から15年度の8年間で約5万9000キロ。ざっと地球1周半分に相当する。

 被害金額は着実に減ってきたとはいえ、まだ高水準にある。野生鳥獣による農作物被害が続くことによって耕作をやめてしまう農業者も少なくなく、それが今回の被害額の減少につながっているとの見方もある。同省も「深刻な状況に変わりはない。営農意欲の低下を招くといった数字に表れない被害もある」(同)とし、今後も産地の被害防止対策に対する支援に力を入れていく考えだ。

日本農業新聞

最終更新:3/15(水) 7:01
日本農業新聞