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イスラム教聖職者は英語で説教を 英国の過激派対策

3/15(水) 8:34配信

The Telegraph

【記者:Ben Riley-Smith】
 英政府がイスラム教の聖職者らに対し、モスクでの説教を英語で行うよう推奨しようとしている。憎悪をあおる説教を英国からなくすための措置だ。

 過激派対策当局によれば、外国語での説教は英国社会の本流とイスラム社会の分断を深め、過激化を助長し得るとの懸念から、こうした措置を講じようとしている。

 ある政府高官は「イスラム教聖職者が外国語で話していると、過激思想を植え付けているのかどうか判断しにくい」と語った。

 この措置にはまだ最終的な詰めが残っているが、情報筋によれば、外国人聖職者の認可について、より厳しい規制を設けることが検討されているという。現在の規定では、欧州連合(EU)加盟国以外から英国に入国するイスラム教聖職者に対しては、英語能力を証明しなければビザが発給されない。

 一方、すでに英国に居住しているイスラム教聖職者に対して新たな認可基準を導入することはないとされている。信仰の自由を侵す措置だと捉えられる可能性があるからだという。

 過激思想の拡大防止は、テリーザ・メイ(Theresa May)首相が内務相を務めていた6年間の優先課題の一つだ。メイ氏は2015年の総選挙の前に行った演説で、国内で生まれ育った人物、あるいは国内に居住してきた人物の過激化に対抗し得る「思い切った」措置をいくつも並べた。

「わが国では誰もが平等であり、誰もが自分が求める人生を生きることができる。だがわれわれの社会はただ権利を付与するだけではなく、責任も求める」と、メイ氏は当時語っている。同氏はまた外国人聖職者の英語能力について、より厳しい規制を課すことも示唆していた。

 イスラム教の聖職者がモスクでの礼拝で英語を使うべきかどうかは、10年以上前から議論されてきた。2007年に300か所のモスクを対象に行われた調査では、英国生まれの聖職者はわずか8%で、そのうち英語を第一言語として話す者は6%にとどまった。

 保守党は2015年の総選挙で「暴力を伴わない過激思想も含めて、あらゆる形の過激主義に立ち向かう」との公約を掲げた。同党が同年10月に提唱した過激派対策戦略は、過激派をどう定義すべきかついて意見が割れ、プロセスが停滞している。

 昨年、デービッド・キャメロン(David Cameron)前首相は、英国の若者をイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の「有害な言語表現」から引き離し導いていくために、もっと多くのイスラム教指導者が英語を話すべきだと語った。

 ただし、政府報道官によれば「現行のビザ発給要件以上のレベルの英語力をイスラム教指導者の認可条件にする計画はない」という。【翻訳編集】AFPBB News

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最終更新:3/15(水) 8:34
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