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「利用者視点で支援を」 小田原「保護なめんな」問題で検討会

カナロコ by 神奈川新聞 3/15(水) 5:34配信

 生活保護業務を担当する小田原市の職員が「保護なめんな」など不適切な表現をプリントしたジャンパーを着用していた問題を受けた有識者らによる検討会が14日、開かれた。これまで2回の議論を踏まえ、市と専門家ら4人がそれぞれ持ち寄った改善策を提案した。

 市は今回の問題を「配慮を欠いた行為」とし、「生活保護行政への関心の低さに対する反省が必要」と総括。課題として職員の意識改革と生活保護行政の適正運用の2点を挙げた。

 意識改革は、人権啓発など職員の研修制度の充実、アンケートなど受給者の意見を聞くシステムの構築、しおりなど情報提供の方法や窓口対応の見直しなどを提案。適正運用では、ケースワーカーの標準数の充足、専門職の拡充、男女比や年齢構成といった職員配置の見直しなどを示した。

 一方、有識者からは、市が進むべき生活保護行政の方向性に関する意見が相次いだ。猪飼周平氏は「受給者の自立」という概念を就労から広げ、受給者ごとに達成しやすいゴールを設けることで「職員の手応えが変わり、皆が異動したがる職場に変わる」と助言。櫛部武俊氏は「生活保護の受給で、利用者の自尊心は一度落ちる」とし、「回復に地域の力も借りて取り組むことが重要」と説いた。

 森川清氏は「利用者の視点に立った説明や援助が必要」と指摘。専門性も高めて受給者との信頼関係を築き、不正受給が起こりにくい支援を目指すよう求めた。元生活保護利用者の女性は、ジャンパー問題を通じて「職員の団結に意識が集中し、利用者との関わりは検証されず、『本来の業務は支援だ』という意識が薄いと感じた」と説明。受給者を含めた市民の意見をくみ上げるためのプロジェクトチームを設置するなどし、「市民に優しい小田原市になってもらいたい」と訴えた。

最終更新:3/15(水) 5:34

カナロコ by 神奈川新聞

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