ここから本文です

ニュース女子「検証」番組を検証する 沖縄報道 6つの論点

3/15(水) 21:00配信

沖縄タイムス

 東村高江周辺の米軍ヘリパッド建設反対運動を巡り、テレビ制作会社のDHCシアターは13日、「ニュース女子」の「続編」番組をネット配信した。1月2日の東京MXテレビでの放送で事実に反すると批判された点について、問題をすり替えて正当性を主張する内容に終始した。論点ごとに内容を検証する。

【表】「ニュース女子」最初の放送内容と続編の主張

 (1)高齢者を「過激派デモの武闘派集団シルバー部隊」と表現

 初回放送について根拠の明示を求める本紙社説を引用。その上で、オスプレイ配備反対に向けて「逮捕されても生活に影響がない65歳から75歳」を募る動きがあると報じた2012年9月の本紙記事を根拠として示した。だが、4年後の高江で同じ実態があるとする根拠は、ある集会で「じいさん、ばあさんは捕まってください」と冗談交じりの呼び掛けがあったことのみ。シルバー部隊などという呼び名が現場に存在しないことの釈明はなかった。

 (2)「テロリストみたい」と表現

 沖縄防衛局が市民側の拠点テントを撤去する期限として指定していた16年8月5日、防衛局職員がテントを訪れた際のもみ合いを動画で紹介。「過激な言葉と暴力が横行する」と指摘した。一方で、「テロリスト」という言葉について「爆弾テロを連想することは確か」とのコメントもあった。

 (3)「韓国人はいるわ中国人はいるわ」と表現

 ヘイトスピーチ対策法を提案した自民党の参院議員にインタビュー。「政治発言はヘイトスピーチではない」「不利なことを言われたら差別だ、人権侵害だ、ヘイトだ、と言う。そのことが言論空間をゆがめる」との見解を伝えた。マイノリティーに対して、変えようのない属性を攻撃するというヘイトスピーチの定義には触れなかった。

 (4)高江の約25キロ手前にある名護市のトンネルで「危険だ」と引き返した

 どこが危険か分からず、スタッフの安全に配慮してロケを中止したと説明した。根拠はヘリパッド工事への抗議ではなく、15年11月20日に名護市安部のホテル前であった辺野古新基地建設工事の過剰警備への抗議の動画。大手メディアが福島第1原発事故後に避難したことや、危険な紛争地域に社員を派遣しないと例示。初回放送で現地取材した軍事ジャーナリストは「危険を判断するのは取材する側だ」と強調した。

 (5)「反対派は日当をもらっている!?」と表現

 追加取材した「高江の反対運動でも日当2万円で雇われたと聞いた」「知り合いが日当が出るから行ってるよ(と聞いた)」という伝聞証言を報告。日当をもらった人にも取材交渉したが断られたとした。ジャーナリストが数年前の取材で、防衛局前で辺野古新基地建設に反対する活動家から「2万円もらっている」と聞いたと発言した。運動へのカンパや交通費相当の支給があることを挙げ、「資金援助はあり、デマではなかった」と正当化。初回放送で出所不明の封筒を根拠にしたことについては取材の詰めが甘かったと指摘した。

 (6)「過激派が救急車も止めた?」と表現

 救急車を「止めた」から「妨害している」という論点にずらして検証した。初回放送で証言した住民が「本来の時間通りに到着できなかった」という意味合いだったと説明。前回はしなかった地元消防への電話取材を実施。「救急車の妨害はなかった」という証言を紹介した一方で、「安全のために徐行したりして、時間がかかったことはある」という言葉を強調した。

1/2ページ

最終更新:3/15(水) 21:00
沖縄タイムス