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浜岡原発事故時の避難先公表 計画実効性に疑問符 検査場所に長蛇の列懸念 静岡

産経新聞 3/16(木) 7:55配信

 県が15日、浜岡原発事故時の広域避難計画を修正したことを受け、原発31キロ圏の11市町の防災担当者らは、避難先が具体的になったことは評価しながらも、対象者が94万人に及ぶ避難計画の実効性への疑問は払拭できないようだった。

 この日の「市町原子力防災対策研究会」で県は11市町に対し、県外避難先の349市町村名と、避難者が31キロ圏外に出る際に放射性物質の汚染検査を行う「避難退域時検査場所」の候補地16カ所を提示した。

 県が、昨年3月の広域計画策定時には見送った避難先市町村名の公表にこぎ着けたことについて、11市町はおおむね好意的に受け止めていた。ところが、広域計画そのものの実効性については、厳しい指摘が相次いだ。

 31キロ圏内の避難対象者が圏外に出るには避難退域時検査場所を必ず通ることになる。牧之原市の担当者は、「理論上は1つの検査場所に数百キロの車が並ぶことになる。どのように調整して通過させるのか、シミュレーションしなければ市民に説明できない」と詰め寄った。県は「必要性は感じているが、まだできていない」と認めた上で、「人が足りないし、放射性物質を検査する機械は現状4台しかない」と窮状を訴えた。

 また、御前崎市の担当者は、検査所運営マニュアルの必要性を指摘。島田市の担当者は「首都直下地震の際にはこちらが避難者を受け入れるなど、相互支援を考えてもいいのではないか」と提案した。

 今回の避難先市町村名公表は、広域避難計画の有用性を高める第一歩ではあるものの、東京都や埼玉県のように受け入れには同意しても具体的な市町村は決まっていない自治体がある。さらに、避難者の受け入れ方法や必要物資の調達手段を検討していない市町村も少なくない。ある自治体の担当者は「県の計画も市の計画も、実効性あるものにはほど遠い」と苦悩しており、実際の避難に向けた課題は山積している。

最終更新:3/16(木) 7:55

産経新聞