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<将棋>「強い関西」名人挑戦者、B級1組、2組昇級者独占

毎日新聞 3/16(木) 13:28配信

 将棋の第75期名人戦順位戦で、名人挑戦者(A級優勝)とB級1組、同2組からの昇級者計5人を関西棋士が独占した。日本将棋連盟によると、関西勢の独占は異例。さらに、関西所属の久保利明九段(41)が王将に復帰し、千田(ちだ)翔太六段(22)が進行中の棋王戦でタイトル奪取にあと1勝と迫っている。関東とはひと味違う独特の勉強法が若手の底上げにつながっているとの指摘もあり、「強い関西」の快進撃がどこまで続くか注目される。

 順位戦は、名人戦の挑戦者を決めるA級をトップに、B1、B2、C1、C2の5クラス。年度ごとのリーグ戦で上位2人(C2は3人)が昇級し、下位者が降級する仕組みだ。

 今期は、A級初参加の稲葉陽(あきら)八段(28)が佐藤天彦(あまひこ)名人(29)への挑戦権を獲得。B1の久保王将がA級に復帰し、豊島将之(まさゆき)七段(26)がA級に昇級し、八段に昇段した。また、B2の菅井竜也七段(24)と斎藤慎太郎六段(23)=七段昇段=がB1に昇級。さらにC1の大石直嗣(ただし)六段(27)もB2に昇級した。

 関西の若手棋士と奨励会員(プロの卵)の多くは、関西将棋会館(大阪市福島区)内の棋士室で練習将棋を指して研さんを積んでいる。関西本部関係者は「昔は対局がない日に棋士が来ることはなかった。来ても、ベテランが競馬新聞を広げるようなのどかな雰囲気だった」と話す。

 棋士室の雰囲気を変えた一人は映画「聖(さとし)の青春」で再び脚光を浴びる故村山聖九段。村山九段は棋譜を並べて研究し、奨励会員をつかまえては将棋を指した。久保王将も小学生の頃からたくさん指してもらったという。

 ところが村山九段が関東に移籍後、同じように奨励会員と将棋を指そうとすると驚かれたという。先の関係者は「関東では将棋の研究で若手が意見を言いにくい雰囲気がある。関西は上位者も下位者も対等に勉強している」と違いを指摘。ベテランになった久保王将も、奨励会員を入れた研究会を主宰し、若手の発想の吸収に努めている。

 B2を1期で抜けた斎藤七段は「私も稲葉八段の研究会に入って教えてもらっている。身近に先輩やライバルがいるので、負けたくないというか、自分もやればできるという刺激になっている」と話す。

 東西両方の気質を知る元「週刊将棋」編集長で大阪商業大学アミューズメント産業研究所の古作(こさく)登主任研究員は「関東では研究会も別々の場所で開くなど個人主義が強い。関西は家族的で、みんなで強くなっていくような雰囲気がある」と話している。【新土居仁昌】

最終更新:3/16(木) 14:05

毎日新聞

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