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「日本死ね」から1年 不毛なイス取りゲームは終わらない…今年も「保育園入れない!」悲鳴続々、怒りのママたち

産経新聞 3/16(木) 14:30配信

 「子供を持つのがこんなに大変なんて」「働くことはぜいたくなのか」-。保育園に4月の入園希望の結果通知が、保護者に続々と送られてきている。昨年2月に「保育園落ちた日本死ね」という匿名ブログがアップされて1年超。今年も落選した親の悲鳴と嘆きが聞こえる。国は15年以上前に「待機児童ゼロ作戦」に着手して以来、その目標は達成されたことがない。怒りの母親たちが3月7日、国会近くの衆議院第二議員会館(東京・永田町)に集まり、国に早急な改善を訴えた。

 ■保育園は“戦場”

 「にっちもさっちもいかない。今年も何通もの(入園)不承諾通知をもらった」。議員会館に訪れた、4歳と2歳と0歳の3人の子供を持つ東京都港区の女性はこう話した。上の子供は辛うじて認可外の保育園に入っていたものの、駅の再開発で取り壊されてしまうという。だが、その受け皿さえ決まっておらず「引っ越しもできず、どうにもならない」と深刻な状況に顔をしかめた。

 東京都江戸川区の女性も「保育園に見学に行くとき、戦いが待っていると考えてしまう。同じ母親と本当は仲良くしたいのにライバルと見てしまうのが悔しい」と語った。

 集会を主催した「希望するみんなが保育園に入れる社会をめざす会」の天野妙代表は、「不毛なイス取りゲームはもうやめよう。保育政策を国の政策の中心に置かなくてはいけない」と訴える。昨年は「日本死ね」というマイナスの言葉が出てしまったため、今年は「保育園入りたい」というスローガンに期待を込めた。

 ■「待機児童」を死語に

 参加者らは4つのグループに分かれて、互いの窮状を打ち明け合った。国会議員も輪に加わり、提案に耳を傾ける場面もあった。集会では専門家も声を上げた。

 病児保育などに取り組むNPO法人「フローレンス」の駒崎弘樹代表は「ふつふつと怒りがたまって、それを吐き出しまくっている。待機児童という問題ではない。行政側によって失業させられている“官製失業”だ。『待機児童』という言葉を死語にしなければいけない」と主張した。

 日本総研調査部の池本美香主任研究員は「海外で保育園は子供を預ける場所ではなく、教育の場所としてつくっている。保育園へ来たくない人も呼び込んでいる」と語った。

 ■掛け声は勇ましいが…

 厚生労働省によると、平成28年4月時点、待機児童は全国で2万3553人で、2年連続で増加している。政府はこれまで何をしてきたのか。

 「待機児童をゼロ」にすると政府が明言したのは、平成13年5月。その後、20年には「待機児童ゼロ作戦」、22年に「待機児童解消『先取り』プロジェクト」など掛け声だけは勇ましかった。25年4月に「待機児童解消加速化プラン」を策定し、5年後の29年度末までに待機児童をなくすと掲げた。

 保育士の待遇改善や施設整備も進んでいる。想定以上に働く女性が増えて保育需要が上回ったのも事実だ。

 しかし、安倍晋三首相は2月の衆院予算委員会で「非常に厳しい状況になっているのは事実」と述べ、29年度の「待機児童ゼロ」の達成は難しいとの認識を示した。現在、新しいプランの6月までの策定が進んでいるが、達成期限の先送りが盛り込まれるとみられる。

最終更新:3/16(木) 15:01

産経新聞

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