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南スーダンPKO 自衛隊員らに必要なメンタルケア 海外派遣でPTSD傾向、自殺も

3/16(木) 6:30配信

BuzzFeed Japan

国連平和維持活動(PKO)のために南スーダンに派遣されている陸上自衛隊が、5月に撤退することが決まった。「内戦状態にある」とも言われる環境下で、任務にあたる隊員たち。そして日本で不安な日々を送りながら、その帰りを待つ家族たち。精神科医などの専門家は、彼らが心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症する可能性と、メンタル・ケアの必要性を指摘する。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

いったい、誰がケアを担うのか。防衛省や自衛隊が用意しているケアだけで事足りるのか。

立ち上がった精神科医たち

「海外派遣の自衛官は、眠れない、気持ちがつらいという症状を抱えていることが多い。そういうことを、自衛官自らが語ることができるのか。あるいは、聞く耳を社会が持っているのでしょうか」

2月中旬、「海外派遣自衛官と家族の健康を考える会」が開いたシンポジウム。会の共同代表で精神科医の蟻塚亮二さんは、言葉に力を込めた。

沖縄戦体験者の4割がいまだにPTSDに苦しんでいることを調査で明らかにし、「沖縄戦と心の傷: トラウマ診療の現場から」にまとめた蟻塚さん。いまは福島県相馬市で、震災で傷ついた人のケアに当たっている。

「福島の人では、数年経ってからPTSDの症状が出てくるケースがあります。沖縄戦の体験者では、数十年経ってからということも。海外に派遣されている自衛隊員も同じように深刻な問題をはらんでいると、理解することが大切なのです」

東日本大震災への派遣や日常の訓練を通じてPTSDになった隊員たちを診てきた精神科医の五十嵐義雄さん(同会共同代表)も、同様の指摘をした。

「PTSDは異常な体験に対する正常な反応。戦闘行為に参加する、目撃するなどの傷は重く、拭い去れない。彼らが体験したことに向き合うための時間はとても大切です。それを守れる環境をつくれるかが求められます」

こうした問題意識を根幹に、会は2月に発足した。蟻塚氏や五十嵐氏を含む医療者、研究者、カウンセラーなど38名が賛同。情報提供や相談対応を通じて、防衛省が実施しているメンタル・ケアを補完する目的がある。

まったくの民間組織であることから、隊員やその家族が周りを気にせず、気軽に相談できるようにすることを目指しているという。

隊員やその家族たちからのメール相談を受け付けており、ケースに合わせ、提携している医療機関や医師を紹介する仕組みを整えている。

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最終更新:3/16(木) 6:30
BuzzFeed Japan