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【房総かふぇ放浪記】カフェ・がんこ茶屋 仙人が淹れる弘法大師の名水カフェ

3/16(木) 13:10配信

ちばとぴ!チャンネル

 カフェは文化の花開く場所。例えば、花の都パリのモンマルトルにはかの有名な「Le Dome」というカフェがある。パリが芸術の都として栄えたのは上質なカフェがあったからこそと思う。ぼくの中では、上質なカフェは「まちのえき」なのだ。ひらがなにするのは、町・街・待ちと駅・益・役などの意味を含んでいるからなのだが。

 まちのえきでは、毎日楽しいドラマや新しい出会いが生まれてくる。珈琲は主役ではなくBGM。珈琲の醸すアロマや味わいが、人の思考を鎮静させ、脳の働きを明晰にさせる静かな脇役として存在するのだ。そして語らいが盛り上がるのは、珈琲がゆったりとした心の開放感をもたらすからなのだ。今日も粋な店主に出会うために、心のままに放浪に出ようと思う。

 美味しい珈琲に不可欠なのは、やはり名水だ。

 硬水と軟水で珈琲の味わいは大きく左右されるし、豆の性質、焙煎や湯温、グラインドの大小や抽出方法、抽出時間も重要なのではあるが、美味しさの広がりをもたらすのは、やはり水なのである。

 カフェ・エドモンズでは、地元金谷の井戸水で珈琲を淹れている。ぼくは、その土地の水に合わせて珈琲豆の力を引き出せる人が、プロのカフェマスターなのではと思う。豆や水を育む風土や文化、栽培する人々の情熱を伝えるのもカフェの使命だからだ。

 そして、きれいな水の湧く場所には、実は美人が多いという経験から、ぼくはこの金谷でカフェを営んでいるわけだが。

 そんな気になる水を千葉県で調べてみると、なんと全国名水百選で選ばれた地区がある。長生郡長南町の「熊野(ゆや)の清水」である。熊野の清水は、弘法大師が錫杖により湧水を招いたという伝説があり、史実として伝えられるものに「室町時代から約100年の間、この湧水を利用して鶴岡八幡宮の湯治場として栄え、そのことからこの地を湯谷ともいった。」とある。長南町ののどかな山間の田園風景を目指して、ぼくは居ても経ってもいられず、バリスタ千春ちゃんに合掌館を任せ、美人と美味しい水を求めて、夢中で長南町に向かっていた。

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