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日産 次世代EVの新型リーフ 2017年9月正式デビューへ!米テスラへ対抗か

3/17(金) 16:51配信

オートックワン

日産の北米法人は3月9日、EV(電気自動車)に関する公式ツイッターで「新型リーフ(LEAF)が今年9月に世界デビューし、今年末に発売を開始する」と発表した。

日産 新型リーフのコンセプトといわれるIDSコンセプトを写真でみる(画像41枚)

これを受けて、アメリカの自動車関連ウェブサイトでは、アメリカにおけるEV市場の今後を占う様々な記事が出ている。

アメリカ市場では、昨年から乗用車が売れない状況が続いており、その流れは今年になっても続いている。トヨタ新型“カムリ”、ホンダ“アコード”など、アメリカのセールスボリュームを担うミッドサイズ乗用車は1~2月の累計で前年同期比17.5%減と大幅な落ち込み。

一方で、大型SUVなどライトトラック分野は売り上げ増となる展開だ。これはガソリン価格が1ガロンあたり2ドル強(リッターあたり70円程度)で安定しているため、顧客のエコカー意識が上がらず、ハイブリッド車よりもデッカイSUVを選ぶ人が増えているのだ。

EVについては、テスラ モデルS/モデルX、日産リーフ、そしてGMボルトが量産されているが、テスラをファッション感覚で所有する富裕層が中核であり、一般乗用車として“リーフ”や“ボルト”を購入する人が多い訳ではない。

そうしたなか、このタイミングで日産が半年先の新型リーフ発表タイミングをアメリカ発で公開した裏には、2つの理由があると、筆者は考える。

まずは、ZEV法(ゼロ・エミッション・ヴィークル規制法)への対応だ。米国・カリフォルニア州環境局が定めるEVやFCV(燃料電池車)等の電動車の普及を目指す法律で、2017年夏に発売される2018年モデルから、ZEV法が一部改正させる。

これを受けて、これまでZEV法の対象だった、デトロイト3(GM、フォード、FCA)と、日系ビック3(トヨタ、日産、ホンダ)以外に、ジャーマン3(ダイムラー、BMW、VW)や韓国ヒュンダイ・KIA、そしてマツダ、スバルなど多くの自動車メーカーがEVやPHEV(プラグインハイブリッド車)を北米市場に一気に投入する。

日産としてはこれからも、ZEV対応の筆頭をEVのリーフとしているため、カリフォルニア州環境局から日産に課せられたZEVの販売台数をクリアするために、競合車が増える2017年にリーフのフルモデルチェンジを合わせたと考えられる。

もうひとつの理由は、テスラ モデル3への対抗策だ。各メーカーからEVが出るのは、あくまでもZEV対応であり、本気でEV市場を拡大しようと考えているのは、現時点ではテスラと日産の2社のみ。

VWがEV拡大戦略とうたっているのは、あくまでも排気ガス規制違反による企業のマイナスイメージ刷新が主な目的であり、本格的なEV量産にはまだ時間がかかる。

となると、EVの販売ボリュームゾーンは当面、『モデル3』と『リーフ』が担うことになる。よって、モデル3の量産が始まる今年後半を意識して、日産リーフも新型投入となるのが妥当だ。

新型リーフが発売される2017年末は、現行リーフ発売から数えて7年目となる。

時計の針を戻せば、初代リーフが登場する少し前の2009年、筆者は世界各国でリーフ開発に向けた現場にいた。

2009年5月、ノルウェーのスタバンゲル市で開催された、EVの国際シンポジウム「EVS24」で、欧州日産の幹部がプレゼンの中で「量産型EVは5ドアセダンになる」と初めて明かした。

その後、日産の追浜テストコースや、アメリカのテネシー州内の北米日産施設で、キューブをベースとしたEVと、ティーダをベースとしたEVに試乗した。これらは、初代リーフ開発に向けた実験車両だった。

そして、初代リーフが登場した際、デザイン部門の統括責任者の中村史郎氏は「リーフを中核として、バンやスポーツカーなど様々なEVを順に量産する」と明言した。だが、日産の予想と時代の流れはマッチせず、リーフの販売台数は伸び悩んだため、商用車NV200のEVバージョンが出たのみで、2ドアスポーツカー構想はお蔵入りした。

それでも、現行リーフは累計25万台を販売しており、大手自動車メーカーとして初めて大量生産したEVとして歴史に名を残したのだと思う。

その上で、新型リーフについては、現行が目指したEVの世界スタンダードという命題を引き継ぎながら、今度こそ日産EVファミリーの拡充を積極的に進めて欲しい。

また当然ながら、日産の傘下となった三菱自動車においても、i-MiEV戦略の大幅な見直しの中で、日産が供給するモーター、インバーター、リチウムイオン二次電池などを活用した、軽自動車や超小型モビリティなどを含む、三菱EVファミリーの展開に期待がかかる。

日産は今年1月、ラスベガスで開催された家電とITの世界最大級イベント『CES2017』で、“日産インテリジェントモビリティ”構想を発表している。そこでは、自動運転(AV)、コネクテッド(CV)、そして電気自動車(EV)の3領域がクロスオーバーする。

その中央に位置するのが、新型リーフだ。どのようなボディデザインと、どのような装備を纏うのか?今年9月のドイツ・フランクフルトモーターショーが、今からとても待ち遠しい。

[Text:桃田健史]

最終更新:3/17(金) 16:51
オートックワン