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無名メディアがトランプスクープ連発、超新興メディアAxiosの実力

3/18(土) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

トランプ米大統領の取材に関わる記者たちが、毎日ビクビクしながら、しかし、欠かさずチェックしているメールがある。

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「Axios AM」。毎日午前早朝に届くこのニューズメールは、大統領側近や議員から取材し、CNNのような主要メディアが報じないニュースや情報を日々発信している。発信元は今年1月設立されたばかりのAxiosというオンラインメディア。名前もよく知られていないメディアが、なぜ、トランプ・ホワイトハウスに関する細かい「スクープ」を連発できるのか。

たとえば、「Trump 101: What he reads and watches」(トランプ101:彼が何を読み、観ているのか)は、メディアとの対立姿勢を誇示しているトランプ大統領が、果たしてどのように新聞を読み、ニュース番組を追っているのかを側近の証言から明らかにした。この記事から、世界の非常識は常識、という「トランプ・ノーマル」がどうして起きるのか、多くのヒントを得ることができる。

完全アナログ大統領、Twitterも口述させる?

Axiosから「トランプ式」メディアチェックをまとめてみる。
1. 本を読まない
反トランプ派が大統領にふさわしくない理由によくあげるが、真実だったようだ。複数のアドバイザーが、彼が本を持っていたり、本のことを話すのを聞いたことがない。従って、長いブリーフィングはダメ。1ページの紙にまとめて説明するしかない(要点をまとめたものなら、さらにいい)。
2. 紙でないと読めない
彼はコンピュータで記事を読んだり、情報を検索することが苦手だ。ニューヨーク・タイムズとニューヨーク・ポスト(保守系で、トランプ氏を支持)、ウォール・ストリート・ジャーナルを紙の新聞で配達してもらい、黒の油性ペンを手に、詳細に読み、反論が必要な記事にマークをし、担当者の名前を書き込む。それを直接手渡すか、そばにいたスタッフにマークした記事のPDFを作らせてメールさせる。
トランプ氏自身がAxiosに対し、(お気に入りとみられるTwitterでさえ)「口述してスタッフにタイプさせ、「送信」ボタンまで押させる」と語った。
3. ニュース番組は録画する
朝6時からは、保守系アンカーがホストする「モーニング・ジョー」(MSNBC)、7時からは保守系ネットワーク局FOXの「フォックス&フレンズ」を見て、合間にCNNをチェック。アメリカの高齢者や知識層が必ず見る日曜日の報道番組「60ミニッツ」(CBS)は、録画して必ず見る。

世界中の人が、トランプ氏についてのニュースをスマートフォンでリアルタイムにキャッチしている中、彼は完全な「アナログ人間」で、いまだに新聞とテレビがすべてという状況が、この記事で浮かび上がる。彼が読むべきニュースや情報は、スタッフがすべて印刷しているという。

これに対し、オバマ前大統領は、2008年の大統領選の頃から、スマートフォンやソーシャルメディアを使いこなし、1日の終わりは、必ずSkypeのビデオ通話で娘2人と話をするという、デジタル・フレンドリーなリーダーだった。

オバマ氏と真逆のリーダーが、ホワイトハウス入りし、スタッフばかりでなく、メディアも対応を迫られている。Axiosはそれに警鐘を鳴らす貴重な記事を出したと言える。

たとえば、ニューヨーク・タイムズは、トランプ大統領が朝刊しか読まないため、「フェイク・ニュース」と呼ばれる犠牲者になった。

ニューヨーク・タイムズは2月10日夕、中国の習近平国家主席が昨年11月14日以来、トランプ氏と対話していないこと、そして、両者は対話をするべきだと促す記事をオンラインに流し、11日の朝刊として印刷した。これを読んだトランプ氏は早速ツイートした。

「倒産寸前のニューヨーク・タイムズが『習近平氏は、トランプ氏と2016年11月14日以来、会話したことがない』とする、大変なフェイク・ニュースを流した。我々は昨日、長い会話をしたぞ」

実は、トランプ氏は10日、習近平氏と電話会談をしたが、メディアに公表しなかった。一方、ニューヨーク・タイムズは、会談を察知し、朝刊が配られる以前に、オンラインで差し替えて報じていた。しかし、トランプ氏が朝刊しか読まないため、このようなツイート反論に発展した。このツイートには「いいね」が10万以上も付き、トランプ支持者が、リベラルなニューヨーク・タイムズへの反感を強めるのに一役買ったのは、間違いない。同紙にとっては痛手となった。

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