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「ちょっと、一杯」の裏にあるもの アルコールというリスク

3/18(土) 17:24配信

BuzzFeed Japan

お酒を飲みすぎて酩酊する父親を介抱する母親。嘔吐したものをきれいに片づける。娘はそれをみて、父は「甘えている」と思う……。【BuzzFeed Japan / 石戸諭、播磨谷拓巳】

以前、SNS上でこのような漫画が反響を呼んだ。

「ここから、アルコールが抱えている本当の問題を考えることができます」と専門家はいう。

リスクが低いと思われるアルコール

「アルコールで周囲が困ったという話に関心が集まっている。これは大きな変化ですよ。10年前なら考えられないこと」

そう話すのは、国立精神・神経医療研究センターの引土絵未さんだ。アルコールの問題は、その高いリスクに対して、軽くみられがちな問題だと考えている。

アルコールの最大のリスクとは何か。

それは、なにかからの逃げ道として依存してしまい、自殺の主要因になることだ。

「ここに描かれているお父さんは、家族とともに生活を改善できた。しかし、叱責では立ち直れないアルコール問題を抱えた家庭、アルコール依存症の患者もたくさんいるんです」

「私の父もそうでした」と引土さんは語る。引土さんは当事者であり、研究者でもあるのだ。

アルコール問題、本人と家族は……

『自殺をケアするということ』(ミネルヴァ書房)にその経緯が描かれている。

引土さんの父は広島の定時制高校を卒業後、大手自動車工場に就職し、結婚。一男一女、2人の子供が生まれたが、家庭生活は崩壊する。

引土さんが小学校に入学する前に両親の離婚が成立し、父と兄との3人暮らしが始まる。離婚の原因もアルコールだった。

もともと晩酌を欠かさなかった父は、ストレスを抱えると酒に手をだす。

晩酌はビール350ml缶1本、日本酒1合と決まっていたが、いつしか増えていく。同じ時期に兄は非行に走り、家庭の会話は減っていった。

そして父は孤独を紛らわすために、さらに酒を飲む。

いつまにか600万円の借金を重ねていた。端緒は娘、引土さんから頼まれた家族旅行だった。所持金がなくなり、クレジットカードローンで現金を調達する。

簡単に現金が手に入ることがわかり、そこからさらに酒に、ギャンブルに溺れていった。

借金を返済するための借金を重ね、気がついたら膨れ上がった。

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最終更新:3/18(土) 17:24
BuzzFeed Japan

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